伊達公子さんの背中を押した“元夫の言葉”

――別れても大切な存在なんですね。

伊達 マイクから受けた影響は本当に大きいですね。マイクと出会わなかったら、離婚したら交友を絶つ、という考えになっていたかもしれませんし、それ以外の考えにおいても、たくさん刺激をもらいました。

 とにかくマイクは、私がためらったり、踏み出せないでいたりすると「なんで!」と言うんです。いつも、「Why not?(なぜやらないの?)」と。

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――「Why not」。刺さる言葉ですね。

伊達 シンプルな思考になれますよね。実は、2008年に現役復帰をするときも結構ぐちゃぐちゃ考えていたんですよ。後輩たちに刺激を与えたいという信念はあったけど、37歳で身体は大丈夫か、周りはどう思うか、本当に若い選手たちのモチベーションになれるのかなどと、なかなか一歩踏み出せないでいたんです。なんか、恥ずかしい思いもあって。

 でもマイクが「キミコはやりたいんでしょ」「どうして他人のことを気にするの」。「Why not?」「Why not!」なんですよ。この言葉には、常に背中を押されてきましたね。

2008年、現役復帰から数か月後の全日本選手権女子シングルスで優勝したときの伊達公子さん。当時38歳だった ©文藝春秋

 結局、シンプルに考えると物事の神髄って見えてくるんですよね。だから当初、今の夫に一度フラれても、諦めることはなかったし(笑)。

――伊達さんは現役の頃も今も生き生きしているようにみえます。「人生のピーク」を考えたりはしますか?

伊達 私は自分の人生を他人と比べたこともないし、自分の過去と比べたこともありません。だから、私の人生はいつもピーク(笑)。そのように過ごしたいとは思っています。でも、20代の頃は、人生の運は限られていると思っていましたね。