18歳で妊娠、妊娠百科大事典を読みながら試行錯誤
――つわりのほうは大丈夫でしたか?
MALIA. つわりは結構あったんですよ。しかも、ロケバスのなかでも平気でタバコをバンバン吸う時代だったので、めちゃくちゃ苦しくて。いつもは文句を言わない私が「ねえ、タバコ臭くない?」とか言い出すから、まわりが「え、どうしたの?」みたいな。その時はつらかったです。みんなは私が妊娠してると思っていなかったから、しかたないんですけど。まあ、時代ですよね。
――モデル仲間で、妊娠を打ち明けたり、相談した方はいましたか?
MALIA. いないです。いま思えば、私っていつもみんながしてないことを最初にしていたかもしれない。だから、聞ける相手がいなかったんです。いまほどネットで妊娠や出産の情報もなかったので、妊娠百科大事典みたいな本を読んでましたから。
――行政的なサービスなども、今ほど情報がないからよくわからなかったですよね。
MALIA. 全然でしたね。あと、いまはマタニティ用の洋服もたくさん種類があって、どれも可愛いですけど、当時は『魔女の宅急便』のおソノさんみたいな洋服しかなくて。
モデルをやっていただけに、洋服の選択肢がなかったのは結構しんどかったですね。妊婦さんはボーダーか単色の服か、どちらかみたいな。10代の妊娠、出産でしたけど、なんとか試行錯誤しながら頑張っていましたね。
一番しんどかったのは26歳での離婚、3人の子どもを抱えて家を飛び出した
――いまやお子さんが4人いて、お孫さんも2人目が生まれました。19歳から20年以上も子育てと向き合っていますが、一番キツかった時期っていつでしょう。
MALIA. 一番しんどかったのは、シングルになって、3人の子どもを抱えながら家を飛び出した時。この26歳の時の離婚が、私の人生を大きく変えたと思うんです。
3人の子どもを連れて、「出ていくよ。ひとりで育児やってやる!」みたいな感じで勢いよく飛び出したんですけど、その後に猛烈にモヤモヤしたというか、葛藤したというか、それまでの人生で経験したことないような不安に襲われたんですよ。
「何が怖くて何が不安なんだろう」って自分と向き合うじゃないですか。すぐには答えが出ないんですけど、少し時間が経ってくると、責任っていう見えない重圧に押しつぶされそうになっていることに気づいたんです。
――ひとりで育てる責任ですか?
MALIA. 普通だったら「子どもが怪我したらどうしよう」って両親そろって心配するものなのに、離婚して父親がいない環境になったじゃないですか。それで「この子たちが怪我したらどうしよう、何かあった時にこの3人の子どもを担いでどうやって病院に行こう」って考えるようになったんですよ。
いつも「もしも」を想像しちゃって、不安で不安で胃が痛くなってしまって。起こらないかもしれない心配を10年ぐらいしてたんです。でも、大体の心配事って起きないものなんですよね。

