「99円のリンゴジュースがあるから、そっちを買え」って言われて

――MALIA.さんにも、言いたいことが言えなかった時代があった。

MALIA. これ、けっこう話しているんですけど、20代の頃の私は135円のトロピカーナが飲みたかった。リンゴのパック。でも、旦那から「イトーヨーカドーのプライベートブランドで99円のリンゴジュースがあるから、そっちを買え」って言われていたんです。

「こんなに一生懸命に仕事も育児も頑張って、ジュースぐらい好きなのを飲ませてくれ!」って思っていて。いまはもう物価がだいぶ変わりましたが、23年ぐらい前だと99円でも大きいパックが買えたんです。でもプラス数十円出すとトロピカーナが飲めたから「いいじゃん、ちょっとブランドもの買ったって」って思っていたんですけど。

ADVERTISEMENT

MALIA.さんの成人式 横には長男

 誰かのコントロールや経済力によって、私が何かをするのをダメって言われたのって、たぶんそれが人生で初めての経験で。だから、トロピカーナのことばっかり覚えてるんですけど、たぶん他にもいっぱいあったと思います。ピーマンだってお肉だって、「いっぱい入ってるそっちの袋を買え」みたいな。「いいじゃん、こっちのほうが大きくて形もキレイだし」と思っていましたけど。

裕福な家庭で育ち15歳でモデルになって…我慢なんてしなかった

――最初に我慢させられることを許すと、その先も我慢しなければいけなくなりますよね。

MALIA. 私はわりと裕福な家庭で育ったのもあって、本当に我慢したことがなくて。カナダの高校に行かせてもらったり、小学校のころは夏休みになるとママとスイスで過ごしていたりとか。

 で、15歳でモデルになって、それこそ18歳ぐらいのころって『ViVi』のモデルをやってたから、お給料をたくさんもらっていて。自分のお金でブランド物のバッグを買えるような17歳、18歳でしたから。もちろん我慢なんてしなかったですし。疲れたら、電車に乗らないでタクシーで横浜のお家まで帰っていました。

18歳 ViViメイクルームにて

 そんな生活をするなかで、初めて「え、なんで? 別にいいじゃん」って。本当に20円か30円かの差、そんな金額だったと思うんですけど、それを我慢しろって言われたことで、すっごい悲しくなっちゃって、すっごい泣いちゃって。もしかしたら産後のホルモンバランスの乱れも関係していたかもしれないですけど。旦那が悪いって言いたいわけではなくて、そういう精神の自立って気付かないうちに雑になっていっちゃうものなんですよ。

――相手には相手の価値観があるから、どちらかが悪いというわけでもないですよね。合わないだけというだけで。

MALIA. 向こうはお金を貯蓄したかったんだと思うんです。で、私と別れてすぐにマンションを買ったとか聞くと、倹約に気をつける人だっただけに「さすがです!」って唸ってしまうし。

 歴代の旦那たちから、いろんなことを私は学ばせてもらったんです。