山間部に取り残された高規格道路や大型の橋梁

 自然環境保護の問題や、同時期に着工した天馬街道(現国道236号)が南側に開通したこともあり、建設中止となった。そして北海道が担当した区間は未改良のまま通行困難箇所が多く残り、開発局が担当した山間部には高規格道路や大型の橋梁が取り残された。

開発局の工事区間の入り口となるシビチャリ1号橋。そびえ立つ5径間連続V橋脚ラーメン構造の曲線橋が地形の険しさを物語っている

 一般的な未成道は、山奥ほど工事の進捗が遅く遺構が少ないのに対して、日高横断道路は逆である。現在は供用区間も通年通行止めとなっており、迂回するいくつかの林道も大崩落を起こしている。静内側の中間地点の高見には戦後開拓の集落があったが、ダム計画を待たずに離村。中札内側は「福大ワンゲル事件」などヒグマの生息地で足を運ぶ者は多くない。

中札内側の最終地点となる兎影橋は盛土がなく宙に浮いている

 このような日高横断道路が計画された時代は、戦後の高度成長とモータリゼーションの急成長、全国的な観光開発の勢いの最高潮ともいえる。これほど壮大で無謀な道路が計画される時代は再び来るのだろうか。

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シビチャリ11号は建設中の1997年に橋桁が40m下の谷底まで転落、引上げて半年後に架橋しなおす想像を絶する作業が行われた

 現在は日勝峠の北側に道東道が開通し、南側では天馬街道の両端を結ぶ帯広広尾自動車道と日高自動車道の建設が進められ、黄金道路も長大トンネル化による改良が進んでいる。それでもなお大自然に立ち向かう土木構造物の力強さと、土木技術を以てしても足元にも及ばない日高山脈の山々の気高さは道路マニアを惹きつけて止まない。

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