木村 しかも、元気な方が必ずしも長生きするわけじゃない。漢方で体力のある状態を「実証」、体力が弱い状態を「虚証」と言いますが、どちらにせよ、自分の体を知ってる人の方が長生きできるんです。実証の人はかえって無理が効くからと、無茶をしてしまいがちなんですよね。

松本 過信してはいけない。寝なくても大丈夫とかね。

渡辺 若いときはできるけど。やっぱり、次の日が全然違うもんね。

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木村 それが当然。変わっていくので正解。ただ、それを自分でわかってない、認められないとなると、心身一如ならぬ心身不一如。気持ちばかり焦って身体はついてこない。それで体調を壊してしまう。60以降はそういう人が多くなるんです。ですから、心と身体は切り離せないんです。

野宮 満里奈ちゃんのエネルギーボールは大きそう。

渡辺 そんな全然(笑)。

野宮 でもふいに思い立ってパッと旅行したりしてるもの。行動力がある。

肝を補うためには、酸味のものを取るのがいい

渡辺 それで言うと、私は50代になってから元気になったんです。家族に遠慮しないで好きなことやろうと決めたので。だから、「アクティブになった」とよく言われます。それって、バランスが整った、ということでしょうか?

木村 だと思います。心の栄養というのかな。そこら辺はやはり更年期以降は大切になってくるんです。

渡辺 でもすっごいイライラはするんですよ(笑)。

木村 さきほども言った五臓、これは5つの内臓のことですが、「肝」が自律神経や情緒を司り、「心」は心臓とかの循環器、「脾」は胃腸などの消化器、「肺」は呼吸器、そして「腎」は成長・発育・老化・ホルモンバランス。ストレスを感じると肝にまず影響がいくんですね。その肝を補うためには、酸味のものを取るのがいいんです。

松本 酢の物とか?

木村 そうです。あと、季節も肝と関係があって。例えば早春、2月とかはイライラや頭部の症状が出やすい。めまいとか頭痛とか。すると患者さんも「最近なぜか柑橘系が食べたくなる」って。そういったことは体からのサインと受け止め、対応するのが大事です。

 

渡辺 すっぱいものを食べるといいんですね。

木村 はい、酸味で補う。黒酢でも何でもいいのでちょっとだけ足すといい。

渡辺 それだけで違う?

木村 違います、ホントに。そして、五臓はそれぞれが独立して機能するのではなく、互いに影響を与え合いバランスを保つので、肝が脾に影響したりする。だから、よくストレスがあると過食になったり、食べられなくなったりするんです。その状態を放置してしまうと、今度は腎に悪影響が及び、老化を進めることになってしまう。

渡辺 イライラしてると胃がキリキリしたり、やつれていく理由はそれ?