大学のチョイスがうまい第一党のアディダス

 まずは第一党のアディダスは、箱根駅伝を最高のプロモーションの場だと考えていることがよくわかる、頭抜けたマーケティング力を見せています。

 その1つが提供する大学のチョイスです。青学大、國學院大、創価大、そして予選会で注目を集めた大東文化大。ポイントとなる大学にきっちり張っているのです。混戦必至と言われた今大会、仮に王者青学大が振るわなかったとしても、國學院大があるというように張り方がとてもうまい。

 ハイスペックシューズ「EVO」シリーズが提供されることも大きいでしょう。このシューズは定価8万円もする高額モデルな上、入手するのも困難なほど人気を集めています。つまり世界的に見れば、大学生がドメスティックな大会で着用するシューズではありません。それでも箱根を重要なプロモーションの場ととらえて本国と交渉し、実現したアディダスジャパンの戦略の巧みさには拍手を送りたいです。

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アディダスは複数のカラーを用意することでコーディネートに寄与している ©EKIDEN News

 さらにアディダスはスポーツとファッションがシームレスなデザインも魅力です。他ブランドが今年のキーカラーを決めて提供するなか、カラーバリエーションも豊富で、各校のユニフォームとのコーディネートがしやすい。これは大学生にとっては大きな魅力のはずです。

 今大会でそれを象徴したのが創価大の小池莉希選手です。右足に赤、左足に青、そして靴下は黄色にした創価大カラー。こんなコーディネートができるのもアディダスだからこそ。さらに区間賞インタビューでは「靴を見てほしいです」とカメラの前にシューズを掲げました。ミズノがスポンサーを務める大会で、別メーカーのシューズを紹介するのは前代未聞です。

 ただ、つい「アディダスのシューズのおかげで」などと言ってしまいそうですが、「赤と青のストライプで……」とあえてメーカー名を出さない巧みな受け答え。事前にアディダスと何かしらの打ち合わせがあったのでは……と勝手に勘繰ってしまいます。