キリンは個室でのOB・OG訪問を禁じている

厚労省の資料には、就活セクハラを予防するための企業の取り組み事例も紹介されている。

たとえばキリンホールディングスは、OB・OG訪問などの面会についてオンラインや電話での実施を推奨し、対面で面会する場合は企業の施設内や大学施設内とし、やむを得ず社外・大学外で面会する場合は、カフェなどのオープンスペースを活用し、個室で面会することを禁止した。また、午後7時以降の面会や、面会時の飲酒も禁止としている。

大林組のように、採用活動のハラスメント相談窓口を社内外に設置し、OB・OG訪問前に案内するアクションを行っている企業もある。

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学生は社員から直接情報を収集したい

民間の就職情報会社による調査も見てみよう。

キャリタスが2025年1月に発表した「26卒学生の1月時点の就職意識調査 〜キャリタス就活学生モニター2026(2025年1月発行)」は就活生の価値観、アクションについてモニター調査したものだが、そこで就活セクハラに関する質問を設けている。企業の具体的な対策についての評価を聞いている。

企業の就活セクハラ防止策として学生から見て評価できると思うもので最も多いのは「夜間の面会禁止」(60.2%)だった。「面会時の飲酒禁止」(56.5%)が続く。「私的な連絡先の交換を禁じる」も約半数の49.4%となった。

一定のルールを設け、セクハラが起きやすい環境を作らないこと、プライベートとの境界線を曖昧にしないことなどが支持されている。もっとも、「OB・OG訪問はオンラインで」を選んだ学生は28.0%にとどまった。社員から直接情報収集をしたいというニーズが存在することが確認できる。

学生の間でも問題意識は高まっている

この問題に関しては、厚生労働省が就職活動中の学生に対するセクハラ防止を企業に求め、法律を改正し、学生と社員が面談する際のルールの策定や相談窓口の設置の義務化などを検討している。