就活現場における「セクハラ」に対し、企業は防止策を取っているのか。千葉商科大学准教授で評論家の常見陽平さんは「個室でのOB・OG訪問を禁止するなど、就活セクハラ対策に取り組む企業は一定数みられる。しかし、企業の全体数から見れば十分とは言えない」という――。
※本稿は、常見陽平『日本の就活』(岩波新書)の一部を再編集したものです。
言ったらアウト!「セクハラ」認定される言葉
就活におけるセクハラの実態について考えよう。就活セクハラとは、たとえば、選考などにおいて恋愛や性に関する質問をする、性的な冗談やからかい、容姿についてコメントする、個別に食事に誘う、身体にふれる、恋愛や性的な関係を求めるなどを指す。
他にも「もっと女の子らしくしなさい」など女性性を強要する行為、男女の役割分担を固定化するような発言もセクハラにあたる。「男らしくしろ」はもちろん、「女性らしさが活きる職場だよ」などというのも立派なセクハラだ。
さらに、インターンシップにおいて男女でプログラムの難易度を変えるなども、セクハラとされる可能性はある。「才色兼備」などの言葉も女性を褒めているようで、見た目は能力とは関係ないし、もともと相手を低くみていないかという価値観が背景にあり、駄言とされる。
なお、性暴力、性加害などはセクハラではない。犯罪である。ただ、実際に、社会人訪問で出会った人、社会人訪問を実現する就活マッチングアプリ経由で出会った人から就活生が性暴力、性加害を受け刑事事件化した例も報じられている。就活生が弱い立場にあることが確認できる事例である。
インターン中にセクハラを経験した人は30.1%
厚生労働省が2024年に労働政策審議会の中で提出した資料(女性活躍推進及び職場におけるハラスメント対策についての参考資料)などから、就活セクハラの実態が浮かび上がった。
この資料は女性活躍の実態と今後の取り組みについて、まとめたものである。就活セクハラ「だけ」を論じたものではない。ただ、ハラスメントについてはかなりのページが割かれている。
