企業の自主的な取り組みに任せている現状から義務に格上げし、企業の採用活動の透明性を高める動きがある。就職活動中の学生についても、「雇用管理の延長」と捉えた上で義務化の対象を広げる方向で検討されており、今後の動向に注視する必要がある。

実際、キャリタス社の調査でも、就職活動中の学生に対するセクハラの防止策を企業に義務付ける法改正の準備が進んでいることの認知度を尋ねたところ、「法改正検討の動きを知っている」と回答した学生は約3割(30.3%)に上った。

就活関連のモニター調査に応じる学生は情報感度が高いことが考えられるが、一定数の認知度があること、問題意識の高さを確認できる。

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学生と企業は対等な関係であるべきだ

就活セクハラ、それに限らず就活に関連したハラスメントは学生が弱い立場であるがゆえに起こる。いや、学生と企業は対等な関係であるべきだ。また、どのような場合であれ、ハラスメントは許されない。

一方、就活生は内定がほしい、今後、入社する可能性があるので問題を表面化させたくないという気持ちにもなることだろう。

もっとも、企業の従業員が起こす就活セクハラは、相手が就活生だから起こる問題と、誰に対してでも起こりうる問題だろうという2つの視点が必要だ。そもそも人権意識が希薄であること、価値観のアップデートがされていないから起こり得ることである。

個別に会う、メールやメッセージのやり取りをするなどは、相手の役にたちたい、親密な関係性を構築したい、相談にのってあげたいという意図もあるのだろう。ただ、明確な指針を設けなくては、トラブルにつながる。

学生が傷つかない体制をいかにつくるか

企業によってコントロールがしにくい部分もある。企業説明会や、選考などに関わる社員には事前に研修などを実施しやすい。しかし、社会人訪問などは人事などを介在せずに行われることもある。

なかには、就活マッチングアプリなど、企業が介在せずに社会人と学生の出会いの場をつくるツールもある。大学や企業が、その業界・企業で働く人を紹介してくれないがゆえに、これらのツールにも意義はある。