最も軍事費拡大への同意率が低いのはイタリアであり、日本がそれに続いているが、それでも、それぞれ、38%、43%前後と約4割が賛成している。
逆に最もそれが高いのはポーランドの79%であり、タイが76%で続いている。欧米主要国でもオランダや英国では7割以上が拡大に賛成している。
米国は軍事費拡大への賛意は48%と5割程度にとどまっている。米国ばかりが軍事費を負担せず、NATO諸国や日本、韓国など同盟国により多くの軍事費を負担してもらおうという意識の表れと思われる。
実際に軍事費は各国で拡大傾向
こうした点は、主要国における実際の軍事支出の対GDP比率の推移を見るとはっきり裏づけられる。図表2にはそのデータをグラフ化した。
軍事支出の目立って高い国を軍事国家とするなら、一貫して周囲のアラブ・イスラム勢力と常に対峙しているイスラエルの値は常に高く、一貫して軍事国家と言わざると得ない。
このほか、1980年代には、米国、英国、韓国の値が高く、当時のソ連とともに軍事国家群を構成していた。ソ連の防衛費の対GDP比は1980~88年に12~17%だったとされる。
近年では、英国、韓国の軍事費は縮小し、ソ連の後継国家であるロシア、米国が対GDP比3%以上の軍事国家として目立っている。
1991年のソ連解体による冷戦構造の崩壊により、米国をはじめ世界各国で軍事費支出がいっせいに縮小し、世界全体(点線で示した)で1982年の4.3%が1999年には2.2%とほぼ半減するに至った。
米国の軍事費は実は対GDP比ほぼ横ばい
米国の軍事費は2001年の同時多発テロまで縮小が続いたが、それ以降、「テロとの戦い」の名の下に、アフガニスタン侵攻、イラク戦争と軍事作戦が相次ぎ、2011年のウサーマ・ビン・ラーディンの殺害まで、軍事費は大きく増大した。
2009年には米軍を中心とするNATO軍がアフガニスタン南部の反政府組織タリバン支配地域に対する大規模軍事作戦を開始した。同年の軍事費は欧米各国でいっせいに増加した。