ギョウザを食べるのか、それともウナギか。 

 そばとうどんじゃあるまいし、ギョウザとウナギではちょっとバランスが悪いような気がしないでもない。一皿数百円のギョウザに対し、うな重なんて数千円。確かに釣り合いは取れていない。

 が、それでもどちらも日本人の大好物であることに変わりはない。ギョウザもウナギも日本中どこだって、もちろん東京でも名店のそれが食べられる。が、どうせならばいずれもがその土地の名物として定着している町で食べるのがいいのではなかろうか。そう、静岡県は浜松市である。

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 浜松といったら浜名湖、浜名湖といったらウナギの養殖。うなぎパイは浜松土産の大定番だ。そしてギョウザはギョウザで宇都宮と消費額トップを競い合う。つまり浜松に行けば、ギョウザもウナギもご当地のいっとう美味いものが食べられるに違いない。

 そんなわけで、新幹線に乗って浜松駅に向かおう。東京駅から「ひかり」で約1時間20分の旅である。

東海道新幹線「のぞみ」の“ナゾの通過駅”「浜松」には何がある? 撮影=鼠入昌史

東海道新幹線「のぞみ」の“ナゾの通過駅”「浜松」には何がある?

 浜松は、東西に細長い静岡県にあって西の端っこ近くの都市だ。旧国名でいうならば、静岡県は東から伊豆・駿河・遠江。このうち浜松は遠江国、現在では遠州地域と呼ばれる一帯の中心都市である。

 その人口は約78万人。県都の静岡市よりも10万人ほど多く、もちろん静岡県では最大だ。だから新幹線も「のぞみ」は通過するとはいえ、主要駅のひとつといっていいだろう。

今回の路線図。中部地方・東海地方では名古屋市に次いでナンバー2の大都市だが、東海道新幹線「のぞみ」は停まらない。

 ちなみに浜松市、平成の大合併で周辺の2市8町1村を合併し、2007年には政令指定都市になった。面積の広さでは高山市に次ぐ全国2位なのだとか。

スズキ&ヤマハのお膝元

 浜松駅はそれだけの都市のターミナル。だから駅舎も実に堂々とした、新幹線らしい設えだ。

 高架のホームから階段を降りたコンコースには、スズキのクルマやバイク、またヤマハのピアノなどを展示しているスペースがあった。そう、浜松はただの大都市ではなく、自動車や楽器製造で栄える工業都市でもあるのだ。そんなことを改札を抜ける前から気付かせてくれる仕掛けは、悪くない。