電気街として知られる秋葉原でも老舗の家電量販店であるオノデンといえば、「オ~ノ~デ~ン坊やが未来と遊ぶ~」というインパクトのあるCMソングを思い浮かべる人も少なくないはずである。小野社長にインタビューできると決まって、いちばんの興味は「オノデン坊やと小野社長の関係」だった。
オノデンの創業は1941年で、1951年に現在の場所で「小野電業社」を設立、自社ビルを建てたのは1961年のことだった。創業者の名前は小野仁介氏で、小野社長の父親である。そうなると、「オノデン坊やのモデルは仁介氏の息子である小野社長では?」と連想しないわけにはいかない。まっさきに、それを訊ねると、小野社長に即答された。
「よく言われますが、私ではありません。モデルはいません。広告代理店がつくったキャラクターです。CMは1980年代からで、私は会社にいなかったので詳しいことはわかりませんが、当時は家電メーカーがキャラクターをつくったり、秋葉原の家電量販店もコマーシャルを流していましたから、その流れに乗ったんだと思います。
ただ、松山善三さんという有名な映画監督に制作に加わってもらったり、CMソングの女王といわれていた歌手の『のこいのこ』さんに歌ってもらったりでインパクトのある作品になったのかもしれません。しだいに他社のキャラクターが消えていくなかで、うちだけはいまだに使っています」
CMの印象が強烈に残る「納得の理由」
小野社長に通じるオノデンの頑固さを感じる。
現在も店頭にはオノデン坊やの大きな人形が置かれ、ビルの壁面にある大型モニターには走りまわるオノデン坊やの姿が映しだされ、変わらぬCMソングが流れている。思わず「懐かしい」という言葉が頭に浮かんだのは、このCMをテレビで見かけなくなったからかもしれない。
「当時もCMを流していた帯番組としては、父親が馬主だったこともあって、競馬番組だけでした。あとは、ぜんぶスポットです」