杉村太蔵が考える「資産形成」と「投資」の違いとは?
皆さんにまずは投資について理解してもらうため、「資産形成」と「投資」の違いについてご説明したいと思います。
「資産形成」とは何か。ひと言でいえば、「自分のためにお金を守り、積み上げていく行為」です。たとえば、老後資金をコツコツと作っていくこと。子どもの教育費を着実に積み立てていくこと。これはすべて資産形成です。ですから「S&P500」や「オルカン」のインデックス投資で毎月定額を積み立てるのも、資産形成の代表的な方法でしょう。
これは、いわば「貯蓄家」としての姿勢です。ローリスク・ローリターン。時間と分散を味方にして、20年後、30年後に確実にお金が残っている状態を作る。それが目的です。自分の人生を守るための経済的な防御。これが資産形成の本質です。
一方、「投資」とは何か。それは本来、「自分のお金を、社会をよりよくする使命感から投ずる行為」です。非常にめんどうな言い方ですが、まさにこの言葉どおりなのです。
もちろん、自らの大切なお金を自らリスクを取って、社会をよりよくする使命感に燃えて資産を投じるわけですから、リターンは高く帰ってこなければなりません。未来を信じて成長に賭ける。これは資産形成とはまったく異なるスタンスです。まさに「推し」がビッグになれるよう応援する、「推し活」と似た行為ですね。
繰り返しになりますが、「資産形成」は、老後の安心、家族の生活、将来の不安を取り除くために行うもの。それに対して「投資」は、この社会の未来を信じ、価値ある会社にお金を託すことで、その成長を応援する。そして、そのうえでしっかりと利益を出すということです。
『ライフシフト』が示す「人生100年時代」に向けて、私は、まずはすべての人に、しっかりと資産形成をしてほしいと考えています。自分を守る土台を作ること。自分の生活を安定させること。これはもちろんとても大切です。
でも、それだけでは、「やっぱりおもしろくないですよね?」というのが本書の大事なポイントのひとつです。お金は守るだけではなく、使ってこそ意味があります。「推し活」と同様に、我々一人ひとりが、社会をよりよくしていこうと考え、その視点から同じように努力している企業を探し出し、大切なお金を投じることで、投資家は社会の重要な構成員として、未来にコミットしていくわけです。
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