俳優の財前直見が出演する『なおみ農園』という番組が、BS日テレで昨年(2025年)1月に特番としてスタートし、同4月にレギュラー化されてからは毎週木曜夜10時に放送中だ。

BS日テレで放送中の『なおみ農園』(番組HPより)

 同番組では、財前が両親や息子とともに財前家の農園で作物を育て、それで料理をつくったり、地元の人々と交流する様子を紹介している。昨今は田舎暮らしに憧れる人も増えているだけに、この番組も好評のようで、この大晦日から元日にかけては放送1年目にして年越し番組にもなった。

大分で迎えた還暦…東京との“2拠点生活”を続ける

 財前は去る1月10日の誕生日に還暦を迎えた。生まれたのは大分県の国東(くにさき)半島にある杵築(きつき)市で、製鉄会社に勤めていた父の転勤にともない幼少期を兵庫・姫路ですごしたのち、小学3年生のとき再び父の転勤により大分市に引っ越した。芸能界デビューと同時に上京したものの、40歳のときに長男を儲けると自然豊かな土地で子育てをしたいと思い、大分に戻った。以来、俳優として活動する東京と2拠点生活を20年続けている。

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財前直見 ©時事通信社

 財前が芸能界にデビューしたのは1984年、高校卒業直前に東亜国内航空(TDA、のちに日本航空と経営統合)のキャンペーンガールに選ばれたときだ。ここにいたるまでの経緯は、財前の著書『わたしがわたしであるために』(講談社、2002年)によれば、ちょっと複雑である。

 そもそものきっかけは高校3年のとき、芸能人を発掘・育成するというイベントが大分であり、友達に「応募するから一緒に来てほしい」と頼まれて同行したところ、財前が受かってしまったことだった。このとき会った芸能関係者がどうやら東京のある新設のレコード会社に彼女の話をしたらしい。まもなくして、そのレコード会社から所属の打診を受けるも、彼女の両親が猛反対したこともあり、結局タレントではなく事務員での採用となる。だが、高校卒業まぎわ、その会社から東京に呼ばれるといきなり、これから水着を買いに行くと言われたという。じつは会社側はひそかに彼女のプロフィールをTDAのオーディションに提出していたのだ。

転機になった水着オーディション

 オーディションに財前はいままで着たこともなかったような水着で臨んだ。ほかの出場者はみんなスタイルがよく、彼女は恥ずかしさと違和感で消え入りそうな気分だったが、いざ審査が始まると、どうせ自分が選ばれるはずがないし、こんな機会はめったにないと開き直る。それが思いがけず選ばれ、所属事務所も現在まで在籍する研音に決まった。猛反対していた両親も、このときには「大勢のなかから選ばれたということは直見自身も気づかなかった“何か”を持っているのかもしれない。頑張ってみなさい」と励ましてくれ、彼女を東京へ送り出した。