『SHOGUN』『イカゲーム』を経て…岡田准一が『イクサガミ』でやりたいこと
岡田准一初のプロデューサー参加作品である『イクサガミ』はネットフリックスで高い評価を受け、早くもシーズン2の制作が決定している。
日本版Newsweekのインタビューに答える形で、昨年世界的な成功をおさめた真田広之の『SHOGUN』とは別の道を行きたい、と岡田本人が話しているのは印象的だ。アメリカに単身渡った真田広之の成功にリスペクトと感謝を示しつつ、日本発、日本産の作品で認められたいのだ、という岡田の言葉は、『情熱大陸』で亡くなった名優たちの名を指折り数えながら語った「日本産のものを作って世界に売る」という夢と一致する。
プロデューサーとしての岡田准一のその戦略は、奇しくも時代の激流とタイミングを合わせたようにシンクロしている。昨年、『SHOGUN』が話題を席巻したアメリカ社会は現在、一日ごとに恐るべき政治的転換を続け、移民の流入に神経をとがらせる国に変貌した。
『パラサイト』がアカデミー賞を制した韓国映画界も今、季節が激変したかのごとく苦境に見舞われている。ネットフリックスの『イカゲーム』をふくめてあれほどの世界的成功を収めたにもかかわらず、国内映画産業が停滞し、新作を撮影することもままならない、映画文化存続の危機にあるというのは、日本の映画観客から見ると信じがたい話だが、事実だ。
米国、韓国に共通するのは、ネットフリックスなどの配信サービスが映画館文化から観客を奪い、映画インフラが危機に瀕するという現象だ。世界にコンテンツを輸出できる配信サービスは、国内の映画産業を空洞化させるリスクと紙一重のところにある。
「ご一緒してきた先輩方から『時代劇を頼む』『馬を習ったほうがいい』などとおっしゃっていただきましたし、時代劇を作る機会が減るなかで、大御所の役者さんたちは一緒にやってきたスタッフや仲間のことをとても心配していました」
Newsweekでそう語る岡田准一の戦略、「ネットフリックスで世界に販路をひろげつつ、国内産業としての映画も守り、継承する」という、『イクサガミ』と『港のひかり』の2作に象徴されるスタンスは、まるで予期したかのように世界エンタメ界の激変に対応したスタンスになっている。

