ブッチャーに小遣いをもらって白人レスラーを制裁
藤原のケンカマッチには、カーン戦のように自らの意思でやったものもあれば、頼まれてやったものもあった。
82年5月21日、香川・高松市民文化センターで行われたNWA世界ジュニアヘビー級王者レス・ソントンとの一戦がそれだ。
「イギリスの白人で、黒人のことが嫌いなレス・ソントンってヤツがいたんだ。(アブドーラ・ザ・)ブッチャーと(バッドニュース・)アレンが、そいつの態度に腹を立てていてね。俺とソントンのシングルマッチが組まれた時、『ちょっとアイツをイジメてやってくれ』って小遣いをくれたんだよ。ブッチャーとはけっこう仲が良かったから、『オッケー』って言ってな。
それで試合では、俺が寝技なんかでさんざん痛めつけてね。チラッと会場を見回したら、体育館のステージの脇のほうでブッチャーが親指を立てて「いいぞ!」みたいなポーズしててな。それで『10分経過、10分経過』ってアナウンスされたんで、そろそろいいかと思って最後はコロッと俺がピンフォール取られて終わり。さっさとリングを降りて控室に戻ったら、ブッチャーに『オー、センキュー!』って言われたよ。
レス・ソントンは、佐山(聡)に対しても失礼な態度を取って、試合後にハイキックで蹴っ飛ばされたんだろ?(82年5月25日、静岡県産業館)。やっぱり、相手を馬鹿にしたような態度を取ったらダメなんだよ。そういうヤツにわからせるっていうのは、当たり前のことだよ」
このような一見、普通の試合と変わらないように見えるケンカマッチは、長いシリーズ中、少なくはなかったという。
