出会った初日、アニータからホテルに誘ってきた

 店に入ると水槽があって、エンゼルフィッシュが泳いでいた。

「エンゼルって魚のことか」って思っていたら、「いらっしゃいませ。はじめてですか?」って日本人のママが出て来た。その後からぞろぞろと外国人や日本人の女の子たちが現れた。何飲みますかって言われたから、「じゃあウイスキーお願いします」って。ボックスの中に、俺とママが座って、向こうのボックスには女の子たちが待機していた。

アニータが「キャンディ」という名で働いていた青森市のスナック「エンゼル」。現在、店はなくなっている(2006年、朝日新聞・田村剛撮影)

「誰かお気に入りの子はいますか?」って聞かれたから、「別に誰でもいいよ」って答えたら、「じゃあ、キャンディ」って。ほお骨が出たガリガリの外国人の子を呼んだんだよね。日本語話せるかって聞いたら、話せるからって。

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「この子、おなかが減っているの。向かいのお店に連れて行ってくれないですか?」

 そうママに言われて、「ここでなんか食べさせればいいんじゃない。メニューは?」って聞いたら「ここにはポテトチップとかしかない。向かいにお店があるから連れて行ってもらえないですか」。

 しょうがないから向かいの焼鳥屋に連れて行った。牛串を頼んだら、「おいしい、おいしい」って。「店に戻るか」って聞いたら「ダメダメ。これからあなたとわたし、そこに行く」って指さしたのがホテルだった。

 俺は「帰るよ」って言ったけど、「帰るダメ。わたしなぐられる」。仕方なくホテルに行ったけど、香水の匂いだかいろんな匂いが混じって臭かった。

 シーツも汚くて、その時は彼女にお金だけ渡して帰った。その日の後からです。彼女から電話がかかってくるようになったのは。