アニータが千田氏に語った「日本で売春を続ける理由」とは?

――交際が始まった「キャンディ」から「アニータ・アルバラード」という本名を教えられた。彼女が語った少女時代の思い出が、千田の心を激しく揺さぶった。

 東京には外国人がそこら中にいたんだろうけど、20年以上前だと青森では珍しかった。

 新鮮だったし、「なんでこんなへんぴなところ来てんの?」って身の上話を聞いたら、南米チリに2人の子どもを残して出稼ぎに来ているって。

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 当時、彼女は23、24歳。子ども2人って噓だろって思ったけど、写真を見せて「愛しているんだ」って。目の前で子どもに電話をかけるわけですよ。そうなると、噓偽りないんだな、しょうがなくて売春しているんだなって、納得しちゃった。

 たどたどしい日本語で、子どもの頃のクリスマスの思い出も話してくれた。

 彼女の国ではお金持ちしか牛肉を食べられないから、アニータの家族は夕食に鶏肉を食べる準備をしていた。そうしたら、「コンコンコンコン」と扉をノックする音が聞こえた。外に出ると、もっと貧乏な親子が皿を持って立っていた。

「だからうちの家族、鶏肉あげた。少なくなったけど、みんなで分け合って食べた。お肉は足りなかったけど、みんな笑って幸せなクリスマスだった」

 そんな話をするわけよ。その言葉に、本当に心がきれいで純粋だと思った。私は両親が公務員で、お金に困ったこともない。アニータの話を聞いて、ぼろぼろ涙が出たよね。

 一生懸命、片言の日本語で話をするじゃない。「本当に困っているんだな」ってごまかされるんだよね。一生懸命の日本語は可愛くて、むなしくて、ダメなのよ。大きな体して、小さい子どもと一緒で可愛いのよ。

 愛の形はそれぞれ色々あると思うんだけど、弱さとか、そういうところを好きになるのもあるじゃないですか。かわいそうという感情もあったのかな。遠いチリから日本にひとりで来てね。祖国に子ども2人を残しているけど、金がないから帰れない。愛しているとか、好きだとかいう前に、彼女を守ってあげたいという気持ちがあったのかもしれない。

次の記事に続く 「それがアニータに渡した最初だよね」最初は300万円から…“アニータの夫”(68)が明かす、『総額8億円以上』も貢ぐことになった「きっかけ」

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