風俗で働く女性にとって、パネル写真は名刺代わりであり、最強の武器でもある。しかし、ただ綺麗に撮ればいいわけではない。いったいどういうことなのか。
フリーライターの山田厚俊氏の『風俗カメラマン「姫」を輝かせる者たちの世界』(草思社)の一部を抜粋し、業界のトップランナーたちが明かす“売れる写真”の極意と、カメラマン選びの戦略について紹介する。
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“被写体”風俗嬢たちの「写真家選考基準」
かつての写真は、店舗が契約しているカメラマンが撮影したり、雑誌やサイトのカメラマンに一任していることが多かったという。今も店舗でスタジオを持っていて契約カメラマンがいるところや、風俗サイトが広告出稿する店舗に対して撮影を引き受けている。
そのようななかで、個人の風俗カメラマンに風俗嬢が個人で頼むメリット、魅力とは何か。現役風俗嬢たちに写真の重要性やカメラマンを選ぶ決め手を聞いてみた。
まず最初にご登場願ったのは、まりてんだ。今、日本で一番有名な風俗嬢と言っても過言ではないだろう。2025年1月、『聖と性 私のほんとうの話』(講談社)を上梓。同年8月4日現在で3刷の大ヒットだ。宗教2世として幼少期を過ごし、大学生の時、デリヘルで働くようになった。一時、風俗嬢を引退したものの、2020年にデリヘル復帰。2023年、風俗サイトの最大手「シティヘブン」のコンテスト「全国ミスヘブン総選挙」でグランプリを獲得した。名実ともにトップに君臨した風俗嬢である。ちなみに、総選挙は客による人気投票で、他のサイトでもこのようなイベントが毎年実施されている。まりてんの波乱万丈の人生は、同書で赤裸々に綴られているのでお読みいただきたい。
まりてんの印象は、キレイというだけでなく、“嫌みが一切ない女性”である。常に、相手の目を見て話し、笑顔を絶やさない。しかし、決して作り笑いとかではない。真剣にこちらの声に耳を傾けて答えを探す表情など、どれを取っても嫌みがなく、その魅力に引き込まれてしまう。
そんなまりてんはセルフプロデュース、セルフブランディングに長けている。写真についても経験により学んだもの、鋭い観察眼と分析力で次のように語る。
「風俗にもいろいろ種類があります。たとえば、ソープランドなどの店舗型だと、来店したお客様と店のスタッフとのコミュニケーションがあり、『実は今日、この子がオススメです』なんて会話がありますが、デリヘルの場合、お客様は風俗サイトやお店のHPを見て電話してくるわけで、その時にはすでに指名する女の子を決めています」
つまり、サイトに掲載するパネル写真が大きくモノを言うのだ。では、カメラマンの良しあしは、風俗嬢にとってどのような判断基準があるのだろうか。
