またメディアでは不法滞在や窃盗など、外国人による犯罪のニュースも頻繁に報じられます。そう考えれば外国人に「居座ってもらっては困る」、「移民の受入れは治安の悪化につながる」と思う人もいるでしょう。
そうした考えに立てば、外国人労働者は期間を限って受入れて、定住を認めないという循環型の受入れがよいとの考えになるでしょう。帰国を前提にする技能実習制度はまさにそのような仕組みです。
この仕組みの欠点はサービス提供にしろ、モノづくりにしろ、高付加価値を生む熟練した人材になろうとする前の段階で、外国人を帰国させてしまうことです。
日本のモノづくりを支えてきた日本人の技術者や職人が高齢化し退職する中で、それを引き継ぐべき日本の若者の数は減る一方です。そうであれば日本が誇る技術も伝統もやがて立ち消えになってしまう。そうならないためには、日本の誇るべき伝統を外国人の青年を含めて受け継いでもらうことが必要です。そして彼らには日本に残って企業の中堅、幹部へと進み、次の世代を教育し、引き継ぐ役割を果たしてもらわなければなりません。その意味で外国人の定住化は必要なはずです。
さらに定住を前提としない受入れでは、外国人労働者は大地震などの大災害の際には、一斉に日本から逃げ出すでしょう。そのとき、日本の介護は、社会インフラはどうなるのか、そうしたリスクを政府は考えているのでしょうか。
20年後に移民が1000万人住むという現実
一方、20年後に移民が1000万人住むという現実に、どれだけ多くの日本人が気づいているでしょうか。またそのときの日本社会のありさまをイメージできるでしょうか。
移民が1000万人住む近未来の日本はある人にとっては脅威であり、ある人には福音でしょう。
なぜなら一部の人は外国人の増加によって、犯罪の増加や社会の分断を懸念するでしょう。その一方、外国人が増加することで深刻な人手不足によって起こり得る社会機能のマヒが解消され、さらに経済と社会の革新がもたらされると考える人もいるでしょう。日本は将来、どちらの道を歩むことになるのか、それはこれから日本がどのように外国人を受入れるか、どのように処遇するかによって変わってくるのです。
