新NISAは「新たなトリクルダウン」
――その状況で、政府は何を考えたのでしょうか。
杉村 政府は「これはまずい、トリクルダウンが起きないじゃないか」と考えた。そこで出てきたのが「貯蓄から投資へ」というキーワードです。そして始まった新NISAでは、ついに配当金も非課税になりました。
――新NISAにはどんな意味があるのですか。
杉村 政府が今やりたいのは、企業に溜まった利益、つまり現預金を少しでも国民に流したい。だから「新NISAでは配当金も非課税にしますよ」とアピールしているわけです。新NISAは、「新たなトリクルダウン」を狙った政策だというのが私の見立てです。
――つまり、投資をすることが富の分配につながると。
杉村 この理屈を理解すれば、なぜ投資をすべきかがわかるはずです。投資をしなければ、永遠に恩恵は受けられません。「皆さん、その恩恵を受け取るための『受け皿』を作ってください」というのが私の考えです。企業は長年の法人税減税によって強くなり、利益を出せる体質になりました。株価も成長し、潤沢な利益がある。この利益を個人が受け取るためのお皿こそが、新NISAなのです。
日経平均は10年で8万円へ
――今後の日経平均株価はどうなると見ていますか。
杉村 日経平均は今後10年、2035年頃までには8万円に到達すると思います。いや、行かせなければならないし、そのポテンシャルは十分にあります。政府自体が「この先GDP1000兆円を目指す」と公言していますし、赤澤経産大臣は「1200兆円も可能だ」と常々おっしゃっていました。現在のGDPが約600兆円ですから、倍増です。GDPが1000兆円、1200兆円に達しているのに株価が下がるなんて、一体どんな国なんだという話になりますからね。
――個人マネーが動き出すと。
杉村 2026年に向けて、いよいよ1000兆円を超える個人の金融資産が動き出します。この個人マネーが動くことで、企業に溜まった内部留保が個人に流れてくる。そのトリクルダウンのパイプ役を果たすのが新NISA、というイメージです。この好循環が生まれれば、日本経済は本当に強くなるのではないでしょうか。

