山上に残る戦国時代の痕跡

 かなりのゆっくりペースで1.9kmを約1時間。ロープウェイ山頂駅にたどりついた。山頂駅がある場所は、すでに城内だ。

岐阜城の縄張図(現地案内板より)

 城の火薬庫である「煙硝蔵(えんしょうぐら)」のあった曲輪跡は、ロープウェイからひっきりなしに降りてくる観光客に占拠されている。

 ここは岐阜市街地にある県内有数の観光スポット。ちょうど訪問時が日曜だったこともあり、家族連れやらカップルやら。こんなに賑やかな山城も珍しい。

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 駅の裏へと歩を進めると、すぐに見事な冠木門(かぶきもん)が見えてきた。2本の柱上部に、笠木を水平に渡している。

右が冠木門前。左上が太鼓櫓

 いかにもメインの出入り口という立派な構え。だから最初は「これが一の門か」と思ったが、違った。信長が「天下布武」の朱印を用いたことを讃えて建てた「天下第一の門」だった。そう、稲葉山城はライバル・斎藤家の城でもあるが、のちに信長が居城とし、「岐阜城」と名を改めた城でもあるのだ。

 その数メートル先の石垣跡のところが一の門。左手の階段上は高く組まれた太鼓櫓跡である。門で前進を食い止め、頭上の櫓から攻撃を加える連携プレー。重要な防御ポイントのひとつだ。

 なお、太鼓櫓のあった場所には現在、展望レストランが建っている。山上でひと休みするならそちらへ。道三ケイちゃん丼、信長どて丼、光秀みそカツ丼なるメニューもある。

岩盤をぶった切ったような見事な堀切

 先ほどの分岐を太鼓櫓側へ登り、尾根伝いに進んでゆくと、見事な堀切(ほりきり)に出くわす。堀切とは、敵の進路を阻むため鋭角に掘られた溝である。

堀切の深さは2~3mほど

 一部コンクリートで造成されているが、元々ゴツゴツした岩山で、その岩盤をぶった切るようになっている。なかなか見事な堀切だ。