「日本ではありえない」スーダンの日常
――MOHAさんにとっての故郷というか、帰りたいなと思う場所はどこですか。
MOHA 日本だと思います。幼い時に日本に来た後も毎年夏休みにはスーダンに帰っていましたが、毎朝起きる度に、「あと何日で日本に帰れるんだろう」ってカウントダウンしていました。
スーダンも親戚がたくさんいて楽しいですけど、やっぱり国が本当に不安定なんで、日本ではありえないことが毎日起きる。それが、自分の中で日本がホームになった理由かもしれないです。
――スーダンで経験した「日本ではありえないこと」とは、たとえばどんなことですか。
MOHA 山ほどあるんですけど、例えば……どれから言おうかな。
小さい時、お父さんの実家でいとこたちと庭で遊んでいたら知らない人が押しかけてきて。「えっ、何?」と思ったらその後ろから警察が入ってきて。車上荒らしで逃走中の人だったらしく、目の前で確保されたり。
――衝撃的ですね。
MOHA あとは小学校低学年の時、遊園地でポップコーン屋さんに並んでいたら、7人ぐらいのギャング集団にカメラをすられたこともあります。
これはまだかわいい方のエピソードですけど、路上で人が倒れていることなんてしょっちゅうだったし、夏休みの間の1ヶ月しか帰ってなかったんですけど、帰る度に何かが起きるような国でした。
――スーダンの不安定さも、日本に移住した理由のひとつだった?
MOHA 不安定さというよりは、より良い暮らしを求めて、そしてスーダンにいる家族に仕送りをするためだったと思います。父は長男だったので、家族を支えなければいけないという責任感が強かったのかもしれません。
――もともと日本に知り合いはいたのでしょうか。
MOHA いえ、全くいませんでした。ただ、千葉県にスーダン人のコミュニティがあって、日本に来たばかりのスーダン人がそこで日本のルールを学んだり、異国での生活を支え合ったりする場がありました。
そこにいたのが、今YouTubeを一緒にやっているマゼンです。彼とは保育園の頃から同じ団地で育った幼なじみです。
