コンテナは誰のもの?
コンテナは通常、海運会社かリース会社が所有しています。現在、海運会社とリース会社の保有シェアはほぼ半々で、近年はリース会社のシェアが高まっています。荷物を輸送する場合は、海運会社のコンテナを借りるか、海運会社が借りているリースコンテナをさらに借りることになります。第4章で解説しますが、2019年には米中貿易摩擦に伴って荷動きが低迷することを懸念して、リース会社が新造コンテナの発注を抑制していました。これが、2020年のコロナ禍におけるコンテナ不足が発生する一つの原因となったのです。
コンテナ海運会社だけでなく、リース会社は近年集約が進んでおり、2024年では上位6社で86.6%のシェアを占めています。保有コンテナ約739万TEU(20フィートコンテナの個数に換算して輸送量や船腹量を示す単位)、26.7%を占めトップシェアのトリトンと、約456万TEUのコンテナ、16.5%のシェアを持つテクステイナーは、ともに法人税の存在しないバミューダに本拠地を置いています。3位のフローレンスは約401万TEUで14.5%のシェア。同社は香港を本拠とし、中国の国有海運会社コスコの傘下にあります。
4位のCAIのシェアは14.4%、398万TEUで、米国に本拠を置き、2021年から三菱HCキャピタルの傘下にあります。CAIは2023年1月にビーコンとの合併を完了しています。
5位のシーコのシェアは8.7%で、241万TEUのコンテナを保有しています。同社はこれまで中国のリース会社、渤海(ボーハイ)租賃(ボーハイリーシング)の傘下にありましたが、2025年12月にテクステイナーの親会社である米国のインフラ投資会社ストーンピークに買収されました。さらに米国に本拠を置くシーキューブのシェアが5.8%です。
コンテナはどこで造られている?
コンテナの製造はいまでは中国が99%のシェアを占めていますが、時代とともに主な製造国は変遷してきました。
コンテナ化の始まった国ということもあり、もともとコンテナの製造は米国に集中していましたが、1970年代には日本での生産が増えて圧倒的なシェアを占めるようになります。当時は日本国内にコンテナの生産業者が二十数社あったくらいです。横浜市のコンテナ販売およびリース会社、EFインターナショナルの中尾治美氏によると、当時は重工系メーカーがコンテナ生産を手掛けることが多く、日立造船は舞鶴で、川崎重工は坂出でそれぞれコンテナを生産していたほか、日本フルハーフや不二サッシ、西武建設などがコンテナ生産を手掛けていたとのことです。
1980年代後半、プラザ合意以降の円高が進んだ時期に韓国の製造シェアが増加しました。当時は世界のコンテナの70%以上を韓国企業が生産していたのです。そして中国におけるコンテナ製造業は1990年代に始まり、経済成長に合わせて急速に生産量を増やしました。2002年には中国メーカーがコンテナ市場の90%のシェアを獲得するまでに規模を拡大して、現在に至っています。
