かつて貨幣経済がほぼ存在しなかった、水道もガスも通っていない海外の島に住む日本人がいる。京都大学卒の女性、杉浦佑子さん(37)だ。
杉浦さんが住むのは、フィリピン・カオハガン島。ちょっと前までは貨幣経済でなく物々交換で経済がまわり、メールを送るのにも数十分かかっていたという島に移住したのは2014年だ。その後に現地男性と結婚し、現在は島で唯一の宿泊施設運営に携わっている。「何もなくて豊かな島」での暮らしぶりを聞いた。(全3回の1回目/続きを読む)
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日本人が約40年前に「購入」した島
――まず、カオハガン島がどのような島なのか教えていただけますか。
杉浦佑子さん(以下、杉浦) カオハガン島は、フィリピン・セブ沖にある東西300メートルほどの小さな島で、約700人の島民が暮らしています。
――杉浦さん以外の日本人住民もいらっしゃるのでしょうか。
杉浦 日本人は私の他にもう1人、島の男性と結婚した女性が定住していて、彼女と一緒に運営している、島で唯一の宿泊施設「カオハガンハウス」のお手伝いをしてくれている男性が1人います。
島のことをご存じない日本人も多いと思いますが、実はカオハガン島は日本と深い縁のある場所なんです。今から40年近く前、崎山克彦さんという日本人がこの島を購入し、そこから島民とともに生活してきました。カオハガンハウスも崎山さんが建てたものです。
――今日は、そのカオハガンハウスから取材に対応してくださっているんですよね。ただネットで調べたところ「カオハガン島にWi-Fiは完備されていない」と出てきたのですが……。

