電気・水道インフラはほとんど「なし」 島民はどう生活している?

――基本的には、島内だけで生活できるようになっているのですね。では、電気や水道といった生活に欠かせないインフラは、島ではどうしているのでしょうか?

杉浦 電気は、村が主導して数年前に海岸沿いの家を中心にソーラーパネルを設置して、島内全体に電気を供給する仕組みを整えたんです。でも、2021年12月に最大瞬間風速75メートルの大型台風が直撃して、パネルが全部飛ばされてしまって……。

 なんとか一部のパネルは回収できましたが、とても全世帯分の電力を賄えるほどではありません。そのため、多くの家庭は必要最低限の電気で生活しています。

ADVERTISEMENT

2021年に島を大型台風が襲った

――必要最低限の電気とは?

杉浦 例えば我が家の場合は、仕事を終えて自宅に帰ったら、明るいうちに本を読んだり、最後まで夕日が差し込む海岸で夕飯を食べたりしています。完全に暗くなったら、日中カオハガンハウスで充電した電球を天井から吊るして、寝るまでの時間はその灯を頼りに過ごしています。

――水道設備はいかがでしょう。

杉浦 生活用水は雨水、飲料用のお水は商店で購入しています。いわゆる、蛇口をひねれば水が出るような水道設備は、一般家庭にはありません。

――どうやって雨水を活用しているのでしょうか?

杉浦 屋根に、雨水を集める雨樋(あまどい)をつけて、大きな水がめに溜めています。そこから掬って掃除や洗濯に使っていますね。

――トイレやシャワーはどうされているんですか?

杉浦 トイレは島に公共のものが何か所かあって、そこを利用する人もいれば、自宅にトイレを設けている家庭もいくつかあります。ちなみに、崎山さんが島に住み始めた30年以上も前はトイレがなく、海で用を足す人が多かったそうです。

 シャワーはトイレ個室の中で浴びることもあれば、屋外で服を着たまま水を浴びることもあります。雨が少ない貴重な時期には、先に海に入ってある程度汚れを落としてから、仕上げとしてお水で体を流すこともありますね。

水がめに雨水を溜め、生活用水として活用している

――雨が降らない日が続いたときは、水がなくなってしまいそうですね。

杉浦 そういうときはマクタン島に行って、生活用水を購入しています。なので、雨が降らない日が続くと不便ではありますが、「すごく困る」ほどでもありません。

 久しぶりに雨が降ったときは、子どもたちが「待ってました!」とばかりに石鹸を持って外に集まってきて、雨のシャワーを浴びるんですよ。その光景は、ちょっとしたお祭りのようです。

――風邪を引いたり、怪我をしたりしたときはどうしているんですか?