島内に病院は「ゼロ」 体調を崩したときは……
杉浦 島内に病院はありませんが、助産師の資格を持つ島民が常駐する「ヘルスセンター」があります。そこで体調の相談をしたり、風邪薬や解熱剤などの薬を処方してもらったりできるんですよ。
それでも症状が改善しない場合は、近くの島にある公立病院に行きます。さらに精密な検査や治療が必要な場合は、マクタン島にある大きな病院を受診することもあります。
もうひとつ心強いのが、島出身の医療従事者の存在です。カオハガンハウスでは約30年前から、意欲のある島の若者に奨学金を支給してきました。その中から、セブで一番大きな病院で看護師として働き、今では看護師長になりつつある人や、近々、カオハガン島出身のお医者さんも誕生する予定です。
彼らは、故郷であるカオハガンのことを気にかけてくれていて。オンラインで島民の健康相談に乗ってくれるなど、すごく力になってくれています。
収入事情は「世界最貧困レベル」とも言われていた
――お買い物や病院事情を伺ってきましたが、島の方たちはどうやって収入を得ているのでしょうか?
杉浦 観光業に従事している島民が多いです。カオハガンハウスを運営している私もその1人ですし、他にも、観光客向けのアクティビティや、「カオハガンキルト」という島の手工芸品を製作する人もいます。あとは役場や学校の職員、島の清掃担当者など、政府からお給料をもらっている人も多いですね。
崎山さんの調べによると、十数年前までは平均月収1万円もなく「世界最貧困レベルの収入」と言われていました。崎山さんが移住した当時は、物々交換なども盛んに行われていたそうです。しかし近年、セブ島周辺が経済的に発展していく中で、カオハガン島にも貨幣経済が入ってきました。