メール1通の送信に30分、ファックスを送るために隣の島まで行っていたことも
杉浦 カオハガンハウスは島外のお客さまとのやりとりが多いので「スターリンク」という離島でも通信できるサービスを導入しているんです。それでメールのやりとりをしたり、SNSを更新したりしています。
コロナ禍をきっかけに、カオハガン島でもオンライン授業が普及したので、日本円で10円ちょっと支払えば2~3時間程度Wi-Fiにつなげる仕組みも整備されています。フィリピンではFacebookがすごく流行っていて、島の人たちもWi-Fiに繋いでよく見ていますね。ただ、さきほどの仕組みもあるから、「ネットは1日1時間だけ」という人が多い印象です。
――通信環境が整う以前、メールなどのやりとりが必要なときはどうしていたのでしょうか?
杉浦 私がこの島に来たばかりの10年ほど前は、小さなポケットWi-Fiで1通当たり30分ぐらいかけてメールを送っていました(笑)。さらにそれより前は、空港があるマクタン島まで行って、ファックスを送っていたこともあるそうです。
――セブ島と並ぶリゾート地ですよね。
杉浦 船で、早ければ30分ほどで行けます。カオハガン島は、「珊瑚の環」の上にある島です。潮が高いときはスムーズに海を渡れるのですが、引いているときは浅いところが干上がって通れなくなってしまうため、倍くらいの時間がかかることもあります。
――マクタン島との定期便はあるのですか。
杉浦 現状はありません。船を持っている家庭もそこそこあって、そうした島民は自分たちで船を出して、持っていない人はそこに「あいのり」させてもらいます。カオハガンハウスではお客さまをピックアップするために頻繁に船を出しているので、それに便乗する人も多いですね。朝に海沿いに行くと、「ヒッチハイク」をしている島民がいますよ。
基本的には、島内で買い物や生活が完結する
――食品や日用品の買い出しも、マクタン島まで行くのでしょうか?
杉浦 カオハガン島の中に小さな商店がいくつかあって、食品や日用品はそこで買うことが多いです。島を渡り歩きながら古着を売る行商の方が時々来るので、洋服も島内で調達することができます。
カオハガン島を含めて、フィリピンは日銭で暮らしている人が多いんです。だから、お米は1キロ単位、シャンプーはボトルではなく小分けのもの、お菓子やお茶も個包装のものを買う人が多いのは、特徴かもしれません。
――では、どんな時に島外に出るのでしょうか?
杉浦 お祭りなどで島外の親戚を訪ねるとき、ですかね。そのついでに古着屋さんに行ったり、スーパーや少し大きな商店などで買い物をしたりしているようです。また、フィリピンでは「黒髪ストレート」が人気なのですが、カオハガン島にはストレートパーマをかけられる美容室がありません。そのため、年頃の女の子の中には島外の美容室に行く人は時々いるようです。

