現在、島民の平均収入は……
――現在、島民の平均収入はどのくらいなのでしょうか。
杉浦 はっきりとは分かりませんが、1家族あたり月に日本円換算すると3万~4万円ほどでやりくりしている印象です。
大きな出費の1つが、子どもの教育費です。カオハガン島では中学校まで島内で授業を受けられるのですが、高校からは島の外に出なくてはなりません。マクタン島などにある学校に通うため、同級生同士でアパートの一室を借りて、月曜日から金曜日まで共同生活をしているんです。そのためのアパート代や交通費、食費は、親が島から仕送りしています。
貨幣経済が入り込む以前と比べて、収入の格差は少し広がりつつあるのですが、最終的には島全体で“ならされて”いくのは大きな特徴かもしれません。
――ならされる?
杉浦 例えば、カオハガンハウスのアシスタントマネジャーをしている人は8人家族で、ひと月に100キロのお米を購入するそうです。たしかにフィリピンはお米が好きな人が多いのですが、それにしてもすごい量ですよね。
不思議に思って、なぜそんなに買うのか聞いたことがあるんです。そしたら「うちはいつも、家族が食べる量よりも多めに炊いておくんだよ。そうすれば、近所にお腹が空いて困っている人がいたときに、分けてあげられるでしょ」と言うんです。
実際に、近所や親戚同士で食卓を囲む光景は、カオハガンでは日常の風景です。一人暮らしのお年寄りに親族がおかずを届けるのも、よく見かけます。島の人たちは、700人の島民全員をひとつの大きな家族のように捉えているんです。家族だから、余裕があるときは分け合うのが当たり前。だから収入に差があっても、暮らしぶりは自然とならされていくんです。
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