「防大女子は自分より強そうと思われる」
——防大の外に彼氏を作るのはやはり難しい?
松田 なかなかハードルは高いですね。平日は絶対会えない、休日に会えるとも限らない、連絡も自由に取れないことがかなりネックになるのではないでしょうか。
1カ月外に出られないことはザラですし、船の上や山奥では携帯の電波すら届かないこともあります。テレビもないので、流行りの話もできません。
——現代日本とは思えません。
松田 防大女子は日本でも有数の男ウケしない大学生だと思います。私は陸上要員だったので、訓練と言えば戦闘訓練、つまり匍匐前進です。石がゴロゴロ転がる地面で匍匐前進すればそこらじゅうに青あざができます。夏期定期訓練の後には虫刺され跡がひどいですし……。一般大学の男子には自分よりも強そうと思われてしまい、引かれてしまいますね。
それに、常に黒髪短髪で心身を鍛えまくった男たちに囲まれている防大女子側からしても、髪をフワフワ遊ばせている一般大の男子はチャラく見えてしまうことも……。
——松田さんも内恋しましたか?
松田 ご想像にお任せします(笑)。ただ、仮にしていたとしても、当時恋愛が「駄目」だとされていたので、おおっぴらに『内恋してたよ!』とはとても言えません。
——ハラスメントに関してはどうですか?
松田 セクハラ・パワハラに当たる言動は多いです。2021年に出版した書籍『防大女子-究極の男性組織に飛び込んだ女性たち-』で複数の防大女子に取材をしたのですが、多くの女性から実体験を聞きました。
防大時代にもセクハラに当たる言動はまま見られましたし、それは部隊に出た後も続きます。ある女性は、部下から「やらせてって言ったらやらせてくれそうですよね」と面と向かって言われたそうです。部屋に酔っ払った海曹が来て胸を触られたと話す女性もいました。
ただ、こういった環境も大きく変わってきています。とくにセクハラに関しては「絶対に駄目」と厳しく言われており、男性自衛官の意識も変わってきていると聞いています。

