胃がん発症リスク押し上げの大きな環境因子は高塩分食と飲酒習慣
「ピロリ菌に感染し、長年にわたり胃の粘膜が傷つけられ炎症が常態化すると、胃の粘膜が薄く脆弱になる『慢性萎縮性胃炎』(慢性胃炎)を発症します。さらに萎縮が進行すると、細胞の一部ががん化して胃がんが発症します」
ただし、50年生まれ以降ピロリ菌感染率は大幅に低下していき、70年以降生まれでは10%台となる。
「かつて、がん死1位だった胃がんの死者数が2000年以降急速に減少し、いまや肺がんや大腸がんに逆転されていることは、公衆衛生の改善と密接に関係しています」
胃がん患者のほとんどがピロリ菌感染者とはいえ、全員が胃がんになるわけではない。ピロリ菌感染者の胃がん発症リスクを押し上げる大きな環境因子が、高塩分食と飲酒習慣である。
「胃がんが男性に多いのは、これらの要因が大きく関係しています。塩分の過剰摂取、過度な飲酒は胃の粘膜を保護している粘液層を破壊し、慢性胃炎を引き起こすのです。男性では、ストレスによる生理的影響が強いともいわれ、ストレス過多により酒量の増加や塩辛い食事が頻回になる点も指摘されています。ピロリ菌と高塩分食、飲酒の相乗効果で胃がん発症率は顕著に上昇します」
逆に言えば、胃がんから命を守るためには、慢性胃炎を避け、胃の粘膜を保護する生活習慣を実践する必要がある。
そこで、「90歳まで健康長寿」を目指すシニアのために、胃がんを撃退するための6カ条を伝授する。
《この続きでは、●飲んではいけない胃薬は? ●いちご、キャベツで胃の粘膜を守る などのトピックを下方先生の解説とともに取り上げている。記事の全文は「週刊文春 電子版」で読むことができる。また、本連載をまとめた書籍『90歳まで健康長寿』も好評発売中》

