西村 ところが、ある日、「私の夢を聞いてほしい。2年間、青年海外協力隊に行きたいの」というんです。彼女は外資系の一流企業に正社員として勤めていましたが、退職するといいます。立場上、私に選択の余地がなかったこともあって「待っているから行っておいで」と答え、彼女の帰りを待つことになりました。

交際相手の母から発破をかけられ東大医学部を決心

――結婚を見据えるとなると、彼女の海外暮らしは障壁にもなりえますよね。このまま上手く交際していけるのかどうか不安にもなりそうです。

西村 離れての生活に不安はなかったですね。フリーターだったので、幸いにも時間に余裕はあって(笑)。彼女の赴任地であるパキスタンに、何度か会いに行って合わせて4ヶ月ほど滞在していました。

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 それよりも肝を冷やしたのは、彼女のお母さんから届いた手紙です。彼女の出国前にご挨拶へ行ったのですが、そのときはとても柔和なお母さんに思えていたんです。ただ、彼女が海外赴任中にお母さんから手紙が届いて……。「定職につかないなら、娘と別れてください」と書いてあったんですね。

 

――交際相手のお母さんからの直接の手紙! 心がざわざわしますね。

西村 その後も何通か手紙が届いたのですが、開封しませんでした。できなかったのかもしれません(笑)。彼女に言ったら「あぁ、無視して大丈夫だよ~(笑)」みたいな感じでしたし。

――ただ、そのままでは結婚ができない。

西村 そうなんです。そこで、「東大医学部に行こう」と思うんです。幼少期からの両親との関わりから、自分の意志で悔いなきところまで勉強し、自分自身の人生に決着をつけたかったですし。

 彼女が帰国したら東京に住むことになりますから、東京から通える国立医学部という観点で考えて、頂点といわれる東大がいいかなと思ったんです。この時、人生で初めて本気で頑張ろうと思うようになりました。

――しかし、東京大学の医学部は安易に目指せるような場所ではないですよね。