日本人は「そして、それから、そして…」

 当時、エッセイの教員に「日本人のエッセイとアメリカ人のエッセイはどこが違いますか?」と尋ねてみた時のこともよく覚えています。

「そう言えば、日本人は、『And then, and then, and then(そして、それから、そして)』と、これが起こって、これが起こって、これが起こって……と出来事を時系列的に、並列的につなぐけれども、アメリカ人は、『Why, because(なぜ?なぜならば)』と理由と説明を因果関係的につなぐ。アメリカの家庭では、『あなたは何がやりたいの?』『私はこれをやりたい』『なぜなら……』と、もう3歳にもなれば、こういうやりとりを親子間でしているから。確かに日本人はそういう書き方をしないね」

 こう言われた時も雷に打たれたような“衝撃”でした。この時に掴めた“文化の違い”が、そのまま私の研究テーマとなり、それから飽きもせず40年近くも比較文化研究を続けています。つまり、「思考の型」は文化や社会によって異なり、それは「作文の構造」によって培われ、それぞれの教育の過程で身につけられるものだ、というのが私の“発見”だったのです。

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「作文教育」に注目した私は、『納得の構造――思考表現スタイルの日米比較』(岩波現代文庫)という本で、日本とアメリカの子供たちが同じ絵(四コマ漫画)を見て、どのように説明し理由づけるかの違いを明らかにしました。

※約5800字の全文では、国や文化ごとに異なる“論理の型”の4分類を解説しています。全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年3月号に掲載されています(渡邉雅子「『感想文』は全方位的な能力を養う」)。この他にも、多数の関連記事を「文藝春秋PLUS」でご覧いただけます。

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文藝春秋

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「感想文」は全方位的な能力を養う

出典元

文藝春秋

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