こうした“局と芸能プロが互いに駆け引きし合う”力学のなかで、芸能プロ各社は新人争奪戦や出演交渉の場面で局に強い姿勢を示すことも多くなってゆく。

そして、時代が下って80年代以降になると、旧ジャニーズ事務所も同じ力学のなかで、「ジャニーが言っている」と無理難題を押しつけたり、「メリーが怒っている」と揺さぶりをかけて相手に“貸し”を作ったりすることを日常的におこなうようになった。

そして、芸能プロが“貸し借り”づくりや圧力・恫喝まがいの水面下交渉を常態化させるなかで、同じ事務所のタレントが同一枠や類似企画に連続起用されるケースが積み上がっていく。制作ラインやPRラインも事務所案件で固まり、外部が入り込みにくい“構造”が固定化する。

ADVERTISEMENT

その結果、「他社タレントが入りにくい状態」が固定化し、こうしたキャスティングは、“テレビ局による忖度”や“両者の暗黙の了解”と受け取られやすいものになっていった。

暗黙のルールが崩れ始めた

だが、芸能プロの創業者が亡くなったり、代替わりをしたりすることで、そんな時代も終わりを告げようとしている。

芸能界も新しい世代へ生まれ変わろうとしているのだ。その変化は、従来の“同じ事務所の主役級を同時期にぶつけない”といったキャスティングの暗黙のルールが崩れ始めたことに象徴される。それを端的に示したのが、TBSドラマ「リブート」である。

本作品は、妻殺しの容疑をかけられたパティシエ・早瀬陸が、潔白を証明するために悪徳刑事・儀堂歩の顔に整形(=リブート)し、家族を守るために裏社会と警察の闇へ潜り込んで真犯人を追うサスペンスドラマである。

初回の関東世帯視聴率は13.3%(ビデオリサーチ調べ)。TVer(民放公式配信)では8日間再生数が486万で“歴代最高”を更新、2月1日時点で600万を突破した。地上波でも配信でも、民放ドラマの中で圧倒的に強く、今季トップクラスの作品になっている。