フォロワー13万人…コロナ関連の誤情報をまき散らす情報源に

 彼女の説に従えば、私たちの常識はすべて否定される。これはきわめて感染力の強い、すべての人びとに厳しい妥協を求める人畜共通ウイルスでもないし、50年にわたる新自由主義路線によって空洞化した政治階級と保健当局が何度もそのコントロールに失敗し、その間にワクチンを開発した製薬会社は本来設定すべきではない特許権を守ることで最大限の利益を手にしてきたのでもない、と。

 彼女によれば、これは私たちを“テクノ奴隷”に変え、自発的に自由を放棄することを強いる実験であり、策略、作戦、あるいは戦争行為の一環だというのだ。そしてその過程では、きわめて多くの人間が死へと追いやられるのだと。ウルフは繰り返し、これは「ジェノサイド(集団殺害)」だと主張し、ナチス・ドイツやアパルトヘイト時代の南アフリカ、黒人差別が続くアメリカ南部、そして現代中国の例を、これでもかとあげてきた。

 パンデミック宣言が出されてから1年以内に、ウルフはこの種のゾッとするような誤情報をまき散らすネットワークの主要な接続ポイントとなり、Twitterのフォロワーは1年前のほぼ倍にあたる13万8000人にまで急増した。

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 私が数えた限りでは、彼女は7つのプラットフォーム上で、保健当局がウイルスをコントロールするためにとった措置のほぼすべてがそうした策略であると断じ、その目的は悪辣きわまりない多様なもの――DNAの改変から、人びとを病気にする、不妊にする、赤ん坊を死なせる、個人の行動をすべて監視する、子どもを感情のないロボットにする、そしてアメリカ合衆国憲法の廃止や西側世界の弱体化まで――にあると主張した。

 コロナウイルスは生物兵器かもしれないとの推測をちらつかせ、ワクチンもおそらく同じであり、政治家を抹殺するために使われているのではないかという(「地方のリーダーたちも次々に死んでいる」と彼女は書く。「これが攻撃であると私が恐れる理由は[これだ]。投与量が違うのだ」)。当時国立アレルギー感染症研究所所長の座にあったアンソニー・ファウチを悪魔になぞらえ、ワクチン誤情報を否定、反論していることを「悪魔的」だと呼んだ。

「世界経済フォーラム(WEF)や世界保健機関(WHO)、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、テック企業、中国共産党などをはじめとする多国籍の悪人たちが、人類を壊滅させ、とりわけ西側世界を破壊するためにパンデミックを利用した」と彼女は書く。

「世界のもう一方の超大国を無能化するのに、わが国の最前線に立つ者や次世代を汚染された殺人ワクチンで破壊するほどうまい方法があるだろうか? そのワクチンはダミー会社や仲介人(しかもそんなに多くは必要ない)を通して、いとも簡単に西側諸国に流れ込んでくるのだ。同じことを西ヨーロッパの国々やカナダ、オーストラリアにやるのも何の造作もない」