山口 気づいたほうがやってる。零士も気づいてやってくれてんのよ。

零士 あ、ほんと?

山口 「やべ、ゴミの日今日だ」っていうときもあるけど。

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壁に貼られた「カナメストーンの約束事」 ©細田忠/文藝春秋

いいことも悪いことも全部思ったことは口に出す

――多くの人は、自分ばかり家事をやってるとかで揉めたりすると思うんです。そこがないのは、お2人がすごくうまくかみ合ってるんだなと。

零士 僕は、いいことも悪いことも全部思ったことは口に出すようにしているんですよ。それが、友達としてずっと一緒にいるのに大事なことなのかなと思っていて。

山口 たしかに、零士に飯作ったら「うまい」って言ってくれますね。

零士 うまいって感じたら、「うまい」は絶対言うべきじゃないですか。

山口 夫婦でも大事なことって言われるよね。

零士 そう思うよ。ずっとご飯を作ってくれるのが当たり前になっちゃわないようにしたいというか。「それはあなたの役割でしょ」ってなるのはちがう。

 僕たちはあまり喧嘩とかしないんですけど、仮に喧嘩したとしても、「なんであんなことしたの?」って聞いちゃうんですよね。相手の意見を聞いたら、「なるほどね」ってなることのほうが多いと思うんですよ。1人であれこれ考える時間がめんどくさいので、だったら言ったり聞いたりしたほうが早いって思っちゃいますね。

 あとは自分が悪いときにはちゃんと謝れたら、話が早いかもしれないですね。

©細田忠/文藝春秋

――たしかにその方が、もやもやする時間が減りますよね。

零士 もやもやする時間がもったいないと思うんですよね。例えば会社とかでもそうで。上司に聞きにくいことがあったとして、「本当に分からないから聞きたいんです」っていう気持ちで聞いたら、嫌な気持ちになる人はいないんじゃないかなって僕は思っちゃいます。

山口 でも日本は、そこらへんの空気がね。

零士 難しいのかな……。空気を読むのも、優しいからするんですもんね。「あいつって本当に聞きたいから聞いてくるだけなんだよ」って分かってもらえるまでに時間がかかるのかもしれない。積み重ねて知ってもらう時間のほうがめんどくさいのかな。

 でも、積み重ねた先に楽に動ける状況が待ってるはずなんですよね。そういう世の中になったっていいのになって思うんですよね。