すべての臓器が関係していることを可視化する

 このように、常に自分が「ピラミッドのどの段階にいるのか」「今なら、まだ回復できるのか」を把握しながら、健康診断の結果を見ることが重要です。

 繰り返しますが、健康診断の結果をもとに生活習慣の改善などに努め、ピラミッドの第1段階でしっかりと対処すること。そして、これ以上、病気の段階が上がらないように予防することこそが、健康診断の最大の目的なのです。

 ピラミッドにして考えることのもう一つの利点は、「すべての臓器が互いに関係している」ことが可視化されて、理解しやすくなることです。

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 現在の医療界では「胃腸科」や「循環器内科」など臓器別、専門別に診療科が設けられていますが、言うまでもなく、体内のすべての臓器は繋がっています。「腎臓だけが極端に悪いけど、他の臓器はピンピンしている」などということは、よほど特殊な状況でない限りは、まずあり得ません。

 健康診断の結果表でも、つい臓器別に数値を見て、個別に対処しようと思いがちですが、ピラミッドのように、検査項目を互いに関連付けて考え、「体全体として健康なのかどうか」を俯瞰して見ることが重要です。

 ただ、いきなり、「検査や臓器を関連付けて考える」などと言われても、どうやればいいのか分からないかもしれません。肝機能の場合は血小板の数値を見ることが重要だったり、心不全の兆候は足のむくみを考慮して診たりするなど、一見、関係なさそうだけど、実は効果を発揮する意外な組み合わせ術がたくさんあります。

伊藤大介(いとう・だいすけ)

1984年、岐阜県生まれ。東京大学医学部卒業後、同大医学部外科博士課程修了。肝胆膵の外科医を経て、その後、内科医・皮膚科医に転身。日本赤十字医療センターや公立昭和病院などを経て、2020年に一之江駅前ひまわり医院院長に就任。1日に約150人、年間3万人以上の患者を診察する。日本プライマリ・ケア連合学会認定医、同指導医、日本病院総合診療医学会認定医、マンモグラフィ読影医。2025年に日本外科学会優秀論文賞を受賞。

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