投資家であって、受験生ではない

――「骨太の方針」は難しそうですが。

杉村 18歳以上の有権者に向けて書かれているので、それほど難しくないと思います。大事なことは、よく分からないところは全く気にしないでください、ということです。我々は投資家であって、受験生じゃありませんから。参考書じゃないので、全部を理解して、ここから試験を受けるわけじゃない。僕だって全部理解してないところもありますよ(笑)。

 

――こんなに読んでるのに、ですか。

ADVERTISEMENT

杉村 分からないし、興味を持てないところも多いんですよ。正直いって、僕は文化・芸術ってピンとこないわけです。だけど、映画が好きな人は、これを読んでソニーミュージックはどうなのかなとか、いろいろ考えればいいんですよ。

議事録と資料が公開される

 ——そもそも「骨太の方針」はどのように作られているのですか。

杉村 「経済財政諮問会議」で議論の上、作成されています。この会議は議長が総理大臣で、全メンバーの4割以上は民間人。必ず総理が出席しないと開催されません。

 面白いのは全部の議事録と資料が公開されるんです。全15回ほどの経済財政諮問会議後、しばらくしたら全てアップされるんですね。

――それだけ透明性が高いんですね。

杉村 この「骨太の方針」に基づいて、毎年8月末までに各省庁が予算の概算要求をするんですよ。「骨太」を論拠に概算要求、税制改正、補助金の申請などを行います。だから全部の大元には、この「骨太の方針」があるんです。

「骨太の方針」専門家になりたい

――ここまで「骨太の方針」を読み込んでいる投資家は珍しいのでは。

杉村 この本が評判になったら、「骨太の方針」の専門家を名乗りたいくらいです(笑)。そもそもこれには、ワインみたいに、出来のいい年と出来の悪い年があるんです。

 

 例えば、アベノミクスの頃も最初は良かったんだけど、2016年とか2017年って本当にダメでしたね。ポンコツな「骨太の方針」。実際、株価は踊り場になっちゃいました。

――最新版はどうですか。

杉村 石破さん(元首相)のは意外と良かったなと思ってます。個人的に石破さんって経済はどうかな?と思ってたんですけど、ブレーンが素晴らしかったのか、経済再生担当大臣だった赤澤さんが良かったのか、充実した内容でした。

次の記事に続く 「北海道電力は10倍行く」「政府は洋上風力を諦めていない」“超一流の投資家”杉村太蔵が導き出す「勝てる」投資銘柄の選び方