高いレベルに入ったときの順応力
一方で、親ながらに感心したのは、高いレベルに入ったときに、「ここではこういうことをやればいいのか」と理解して、順応する力を持っていることだ。
練習を重ねるたびに、自分の立ち位置を見つけて、そこで結果を残す。
小さい頃から友達が多かった強みかもしれないが、どの場所にいっても、物怖じすることなく自分の強みを出せるのも、健介の長所だったと思う。モジモジしたり、緊張したりするようなことは一切なかった。
これは、横浜高校に入っても、プロ野球の世界に進んでも感じることだ。そのレベルに足を踏み入れることによって、健介が持っていた能力がより引き伸ばされる実感があった。おそらくは、健介の中には「どのレベルでもそこに入ることができれば、おれはやっていける」という強い自己肯定感を持っていたのではないだろうか。
その年代でしかできない体験をしてきた
改めて、健介の少年時代を振り返ってみると、「その年代でしかできないことを体験できた」という言葉が、もっとも腑に落ちる。
幼少期から「わんぱく小僧」で、年上のお兄ちゃんたちにかわいがってもらいながら、元気いっぱいの日々を過ごした。小学生になってからは、年齢相応の悪さをして、私に目一杯怒られたこともあった。「あっちのほうから円盤が飛んできた」とわけのわからないウソをついて、その場をごまかそうとしたときには、思い切り突き飛ばしたこともある。
でも、そんなことは小学生であれば、「健全な成長過程」であり、そうやって物事の分別を覚えていけばいい。
ゴールデンエイジの話にもつながるが、幼少期には幼少期にしかできない体験がある。
家で体操をやっていたエピソードを紹介したが、中学生になってからやろうとしても、恐怖心が勝ってしまい、簡単に体は動かない。