DAY3 人生初のアウフグースショー&老舗温泉街の外湯巡り
3日目の朝は、名古屋を発つ前に大人気のサウナ特化施設ウェルビー栄に立ち寄り、フィンランドにインスパイアされつつ独自の進化も遂げたジャパニーズ・サウナ文化のフルコースを楽しんでもらった。趣向を凝らしたサウナ室、部屋に霜が付くほどキンキンに冷えた水風呂、氷点下20度台の冷気浴室……と、遊び心と心地よさとの絶妙なバランスには一同感心していた。
ここでの一番鮮烈な体験は、満場一致で「アウフグース」だった。ウェルビー栄は、欧州スパサウナ発のショーアウフグース(編集部注:アロマや音楽を用いる総合演出やタオル裁きの技量で客を魅せるアウフグース)に特化した、巨大ストーブと音響・照明装置を備えた「サウナシアター」を有する。この日はなんと、2023年にアウフグース世界大会で悲願の日本人初優勝を飾った、本施設のスタッフでもあるユニットWATが、アウフグースなんぞ名も知らなかった彼らにスペシャル演舞ショーを催してくれた。
彼らのたおやかなタオルさばき、音楽とアロマと光の演出のシンクロナイゼーションに、演舞中は5人とも目が点になっていた。けれどあとで感想を聞けば、「サウナの中で心が揺さぶられたのは初めてだ!」「動きや演出の完成度が本物の舞台並みだ!」と、誰もが深い感激をあらわにしたのだ。旅行後に取ったアンケートのなかでも、最も印象に残った施設として一番得票数が高かったのが、実はウェルビー栄だった。
その後、新幹線とレトロな特急列車を乗り継いで、一行は兵庫県の城崎温泉街へ。お目当ては言わずもがな、老舗温泉旅館から浴衣を着て繰り出す外湯巡りだ。皆でたどたどしい下駄の音を響かせながら、枝垂れ柳のそよぐ川辺を闊歩するだけでも、旅情は上がり調子。ここまで大阪・名古屋と大都会続きだったので、「ヒューマンスケールの街で嬉しいなあ」と皆の顔がほころぶ。
それぞれ表情の違う公衆浴場を巡ってお湯をいただき、道中で土産物屋を冷やかす。帰り着いた旅館で待っているのは、にこやかに出迎えてくれる女将さんたちと、不在の間に敷かれたお布団、そして勢を尽くした会席料理……嗚呼こんなにも情緒と愉楽の要素をぱんぱんに包含した温浴総合体験のテンプレートに、他に世界のどこで出会えるだろうか。
ちなみに殿方たちは深夜に路地裏のスナックの暖簾をくぐり、ママや常連客に盛り立てられるがままに、(フィンランドの老舗バーでも人気の)本場のカラオケを楽しんだそうだ。

