野球において「最も点を取れる打順」とはどのような並びなのだろうか。近年はメジャーリーグを中心に、大谷翔平やアーロン・ジャッジなど最強の打者を上位に置く「2番最強説」がトレンドとなっている。
一方、日本のプロ野球では依然として「4番最強説」が根強い。果たしてどちらが正しいのか? 日米のイニング別得点データを分析した元ヤクルトの名手・宮本慎也氏は、「村上宗隆は2番、岡本和真や山川穂高は3番がいい」と言葉を残した。
かつて「つなぎの2番」として生きた宮本氏が、現代野球のデータと自身の経験から紐解く“新しい打順の最適解”とは。同氏の著書『プロ視点の野球観戦術』(PHP新書)より抜粋して紹介する。
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適切な打順の並びは?
大量得点を狙うために、どういう打順を組んだ方がいいのでしょうか? 送りバントをするより、打っていった方が得点する確率が高いことは統計として分かっています。
なおかつ「得点力」を上げるなら、打席が多く回ってくる上位に、打てるバッターを置く方がいいという考え方も紹介しました。
そこでセ・リーグ、パ・リーグ、セ・パ合計、メジャーの4パターンに分けて、イニング別の得点割合を調べてみました(表2-2)。
説明する必要もないでしょうが、9回はリードしている側の裏の攻撃がありません。延長戦も行われないケースの方が多く、得点は少なくなるイニングです。攻撃数そのものが少ないので、9回と延長回は除外して考えます。
日米を比較して、一番の違いとして目についたのは初回の得点割合です。日本はセもパもセ・パ合計も、初回が頭ひとつ抜けて得点割合が高いのですが、メジャーは4番目の得点割合です。つまり1、2番に最強打者を置くより、3、4番に最強打者を据えた方が、初回の得点割合は高くなるということです。
初回に得点を取る、または大量点を狙うなら、1、2番でチャンスメークし、3、4番で得点するという日本流の打順の考え方が得策だということでしょう。

