島に訪れる人が増えた理由

 三橋さんは、華やかだった当時を思い描くように、笑みをこぼしながら続けた。

「ねぇ。でも面白いよね、こんな小さな島がそんなに賑やかだったのって。だから島を訪れる人が増えたのはね、そんな噂を聞いた向きが『いっぺん行ってみようか』っていう好奇心からだったと思う。

 あっ、思い出した。中学生のときにヌードスタジオで、ある船乗りの人が石油ストーブを蹴飛ばして大火事になったことがある。それを僕は野次馬根性で見に行ったの。犯人はすぐに現場から逃げたんだけど、その船乗りの顔をウチの親父が目撃しているんだよ。遅れて警察が来たときに、親父は『犯人は船乗りのはずじゃ』といった。それで停泊していた船乗りすべての身元を洗って、親父が『この人じゃ!』といって犯人を捕まえたということがあったよ」

ADVERTISEMENT

置屋のあった島の路地裏(写真:筆者提供)

「そうして発展したのは、来客の増加はもちろん、同時に島の有力者だったKさんが島民にお金を貸してホテルや商店をつくる手助けをしたのが発端だったと聞いています」

「おおっ、高木さんはKさんのことも知っているのか。島の人たちに貸したんじゃないと思うけど……。まあそのKさんの女房があの4人のうちのひとりだったわけ。いまでもKさんの嫁は(置屋を)やっているよ。もう残っているのはKさんの嫁さんだけ。残りの3人の店は全部潰れた」

「だから島の有力者としてKさんの名前が浮上しているのですね」

次の記事に続く 「この島には暴力団を入れないようにしよう」島民の約束はなぜ破られた…? 三重県「売春島」がヤクザの資金源になった理由

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。