「日本民族の永久的奴隷化」への危惧

 この満身創痍の日本経済に、どれほどの賠償が果たされるのか。そして弱り切った日本企業は顧みられることもなく、日本は欧米資本の草刈り場になってしまうのではないか。神武以来、これほど悲観的にならざるを得ない状況はなかった。

 日銀の報告書では、「現在のドン底生活を永続せしめ、将来苟も生ずる余裕は挙げて之を賠償に振向けしむるが如きことあらば、それは日本民族の永久的奴隷化」であると述べている(日本銀行調査局編『日本金融史資料 昭和続編 第7巻』)。この報告書を取りまとめた担当者の心境は察するに余りある。

 程度の差はあれ、多くの日本人が「日本民族の永久的奴隷化」への危惧を抱いていた。

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