不幸な境遇に置かれた役柄が圧倒的に多い伊東だが、私生活では鬱屈をまったく感じさせない。中学も高校も楽しくて仕方なかったらしく、芝居と学校生活を「100:100」で楽しんだという。TikTokもお笑いも大好きで、嫌なことは寝たら忘れてしまう。落ち込んだときは泣ける曲を聴いてスッキリする。ホラー映画が大好きで、アニメやドラマもハマったら一気に観る。
「何も背負ってないです」意外にもポジティブな素顔は…
陰のある役柄が多くても自身は「ポジティブに物事を考える性格です」(otocoto 2023年4月6日)と言い、社会的なメッセージが込められた作品に多く出演しても「何も背負ってないです」と笑う(Bezzy 2025年9月16日)。
しかし、作品に入れば丹念に台本を読み込み、準備を重ねて役柄の内側に入り込み、まるでそこにいる人のように演じる。紀里谷は伊東の演技を「お芝居という言葉を使うのが嫌なくらい」「自然にというより、『内』から出そうとする」と評しているが、とてもしっくりくる表現だ(CINEMAS+ 2023年4月8日)。
不幸に耐えていて、どこか儚げだが、芯が強く、どんな理不尽にも負けたりしない。10代の伊東蒼には、そんな役柄がよく似合っていた。20代に入ったこれからは、きっとどんな役柄だって演じられるだろう。日本アカデミー賞だって何度でもノミネートされるだろうし、いずれ軽く飛び越していけるはずだ。ナチュラル・ボーン・アクトレス。今後どんな活躍を見せてくれるか、楽しみでならない。
