結果の項目を色分けしてみることができる
では、「レベル」と「スピード」を区別した上で、45歳の女性Aさんの健康診断の結果表を見てみましょう。Aさんはかつて肥満、脂質異常症、慢性肝炎、高尿酸血症、そして重度の糖尿病を患っていましたが、8カ月間にわたる生活習慣の改善によって、図表(5)のように数値が変わったのでした。
図表(5) Aさんの健康診断の結果
劇的に変化したのは、血糖値やHbA1cをはじめ、体重、コレステロール、AST、ALT、尿酸値など「スピード」の項目ばかりであることが分かります。一方で、クレアチニンやBUN(尿素窒素)など、「レベル」の項目は、ほとんど数値が変わっていません。
このように、3大原則を身につけることで、これまでは数字やデータの羅列にしか見えなかった健康診断の結果表を、「レベル」の項目と「スピード」の項目とに色分けして見ることができるようになるはずです。
生活習慣を改善すれば回復できるのか、それとも、かなりダメージが蓄積しているので完全な回復は見込めず、すぐにでも医師に相談すべきなのか、深刻さの違いを理解できるようになるのです。
伊藤大介(いとう・だいすけ)
1984年、岐阜県生まれ。東京大学医学部卒業後、同大医学部外科博士課程修了。肝胆膵の外科医を経て、その後、内科医・皮膚科医に転身。日本赤十字医療センターや公立昭和病院などを経て、2020年に一之江駅前ひまわり医院院長に就任。1日に約150人、年間3万人以上の患者を診察する。日本プライマリ・ケア連合学会認定医、同指導医、日本病院総合診療医学会認定医、マンモグラフィ読影医。2025年に日本外科学会優秀論文賞を受賞。
