アルコールは赤血球にまで影響を及ぼす

 また、血液検査で分かる「MCV(赤血球の容積)」もアルコールと関係があります。

 アルコールを慢性的に過剰摂取すると、ビタミンB群の吸収がおろそかになるほか、体内でアルコールを分解するときに発生する「アセトアルデヒド」が、赤血球を変形させてしまうとも言われています。アルコールが赤血球にまで影響を与えるというのは驚きですが、お酒をよく飲む人は、MCVの数値も注意して見るべきでしょう。

 さらに、アルコールの影響は食道や胃にも及びます。アルコールを摂取し続けていると逆流性食道炎になりやすく、慢性胃炎になる可能性も高くなります。

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 ポーランドの研究では、過去5年から37年にわたって、慢性的にアルコールを摂取していた男性61人全員が胃粘膜に炎症を起こしていたことが分かっています。さらに、10年以上にわたり、アルコールを摂取し続けた人は、胃粘膜が元の状態に戻らないほど萎縮性の変化を起こす可能性が高いとされています。

 このように、アルコールの影響は、決して肝臓だけに反映されるのではありません。「肝臓の数値が大丈夫だから、お酒を飲み続けても問題ない」と安易に考えるのではなく、尿酸値やMCVなど様々な項目を見て総合的に判断すべきです。

伊藤大介医師 ©文藝春秋

伊藤大介(いとう・だいすけ)

1984年、岐阜県生まれ。東京大学医学部卒業後、同大医学部外科博士課程修了。肝胆膵の外科医を経て、その後、内科医・皮膚科医に転身。日本赤十字医療センターや公立昭和病院などを経て、2020年に一之江駅前ひまわり医院院長に就任。1日に約150人、年間3万人以上の患者を診察する。日本プライマリ・ケア連合学会認定医、同指導医、日本病院総合診療医学会認定医、マンモグラフィ読影医。2025年に日本外科学会優秀論文賞を受賞。

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