警察関係者の負傷者も10人(内5人が重傷)。この異常事態を、当時渋谷駅前の青果店「西村フルーツパーラー」に店員として勤務していた当時16歳の永山則夫は偶然目撃しており、事件に触発されるように3年後に全国で連続射殺事件を起こすことになる。
時間の経過とともに銃撃戦は激しさを増していく。片桐はパトカーや報道ヘリの音がうるさいと110番に電話をかけ、すぐに退かせないと人質を殺すと脅迫する。さらに、女性店員に命じて冷蔵庫からビールを持ってこさせ、あおりながら銃を乱射。警察は野次馬に被害が及ばないように躍起になっていた。
催涙弾の投入を決定
19時を過ぎても片桐の銃撃は衰えず、「まだ弾薬はたくさんある」と朝まで徹底抗戦する構えだった。警察は狙撃による制圧も考えたが、人質の安全を考えると実行は困難。検討の結果、催涙弾の投入を決定する。
19時18分、防毒マスクを被った警視庁第一機動隊の隊員が店の窓ガラスを破り、5発を店内に投げ込んだ。店内にガスが充満すると、片桐の動きに明らかな変化が現れる。それまで冷静に銃撃を続けていたのを止め、激しく咳き込みながら人質の女性2人を盾にして店外に出てきた。
右手に銃を持ち、左手で人質の肩を押さえながら弾を放つ片桐。最後の瞬間はその直後に訪れる。
10人の警察官が飛びかかり…
背後で隙を狙っていた男性店員の1人が、店内にあったライフル銃を手に取り、銃床で片桐の後頭部を殴ったのだ。不意を突かれた片桐は転倒しながらも逃げる店員に向け何度も発砲。
弾が切れたタイミングで原宿署の緒方保範刑事(同36歳)が体当たりを敢行する。対して片桐も隠し持っていたピストルで至近距離から銃弾を放ち、緒方刑事の顔面と背中に命中させる。被弾した同刑事はその場に倒れ込んでしまったが、後に続いた警察官約10人が一斉に片桐に飛びかかり制圧。
19時25分に現行犯逮捕され、ようやく市街戦は幕を閉じた。重軽傷者は全部で18人。片桐が放った弾は110発(130発との説もあり)にも及んだ。
逮捕後、片桐は警官を射殺した神奈川県警大和署に引き渡され、取り調べで次のように供述した。