しかしそのおかげで、日本の領域外で他国軍からの襲撃に対処したとしても、憲法上の問題は生じないというのが日本政府の見解だ。

そして、基本的に武器等防護のための武器使用は、自衛隊が保有する武器等を守ることを目的としているが、その効果がそれ以外のものに及ぶことがあり得る。

たとえば、海上自衛隊の護衛艦が自艦防護のため、接近する自爆型無人機を撃墜したとする。このとき、たまたま民間船舶が護衛艦と接近した状態で並走していたとすると、自艦防護が結果的にこの民間船舶をも防護したことになるが、こういったケースが該当する。

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しかも、あくまでこれは自艦防護だから、並走している船舶の船籍に制限はなく、事実上どの国の船でも防護は可能だ。

ただし、これはあくまでも「裏ワザ」の類であって、派遣される自衛官に対して「これで大丈夫だ」と胸を張って送り出せるようなものではない。本来であれば、海上警備行動のあり方を見直すなど、法改正が先決だろう。

機雷掃海任務での派遣も現状では難しい

また、こうした直接的な護衛活動への参加以外にも、ホルムズ海峡における事態を「重要影響事態(そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態)」に認定し、そこで活動するアメリカ軍や欧州各国の艦艇部隊に海上自衛隊の補給艦による洋上補給を含めた後方支援活動を実施することも考えられる。

3月12日現在、イラン革命防衛隊がホルムズ海峡への機雷敷設を実施したと報じられているが、過去には湾岸戦争後に自衛隊艦艇が派遣され機雷掃海任務に従事したことがある。

今回もどこかのタイミングで自衛隊がホルムズ海峡の機雷掃海任務のために自衛隊を派遣すべき、という議論が沸き起こる可能性もある。

ただ、機雷掃海・掃討を行う機雷処理活動に関して、そもそもこれを行う掃海艦艇はほぼ非武装であり、現場における戦闘が終結した後でないと活動を実施することは困難だ。そのため、今すぐに自衛隊がホルムズ海峡に派遣されて機雷の処理を行うような事態は想定されないだろう。