なぜ二世帯住宅を受け入れたのか?

桃子 私が不思議なのは、響子さんは二世帯住宅を断ることもできたのに何で受け入れたのかということ。

響子 どうしてだろうね? でもまあ、足元が危ない人間を放っておくのもどうだろう、とは思ったし、気づいたらぐりぐりっと押されたって感じかな。引っ越してきたのは桃子が3歳の時です。

桃子 母は自分の決定権をすべて祖母に渡している状態だったと思うんです。

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響子 建ててあげるから来なさいならわかるんですけど、そうじゃないんですよ。お前のところはお前が支払えという。

佐藤愛子さん。

桃子 祖母が母の人生、母の幸福を勝手に決めていた話を聞くと、心底腹が立つんです。そのくせ「先生」って言われているのも納得がいかない。

響子 この話じゃなくても、あなたはいつもムカつく人じゃない(笑)。そういえば建て替えの間、母は逗子に持っていた仕事場に仮住まいしていたんです。太子堂の家に牛乳を1リットルのでっかい瓶で届けてもらっていたんですけど、それを私の夫に逗子まで「持って来い」って言ったんですよ。

桃子 断ればいいだけの話じゃない。

響子 営業で家の近くに行った時、牛乳配達の営業所からもらって来てくれって。あの牛乳は低温殺菌でうまい、他のは飲めないって。夫は自分の母親に「瓶を持って営業はできない」って愚痴ったみたいです(笑)。

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 家自体が好きで、そこからくる執着のようなものがあったという佐藤愛子さん。二世帯住宅にしたことで発生した“階段問題”、家庭内でのお互いの領域など、佐藤さんの「家づくり」への強い思いが明かされる記事全文は『週刊文春WOMAN 2026春号』で読むことができます。

INFORMATION

佐藤愛子さんと娘・響子さん、孫・桃子さんの好評連載を収録した書籍『ぼけていく私』が4月9日に文藝春秋より発売決定。現在予約受付中です。

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