ナンパに成功するまで「戻ってくるな!」

「藤田、お前、女を連れてくるまで戻ってくるな!」

 それは「業務」ではありません。今の時代なら「つきまとい行為」と見なされ、迷惑防止条例に違反するかもしれません。何より、見ず知らずの方に迷惑をかけてしまうので、正直に言うと嫌でした。でも当時は、目をかけてくれるバイト先の先輩につまらない奴だと思われるのも嫌でした。声をかける女性には最大限の気遣いをしながら、仕方なくやりました。

 もちろん、私のナンパがうまくいくわけがありません(笑)。“本業”である飛び込み営業と同じように、ほとんどの人から断られてしまいます。ナンパを始めた頃は、「自尊心が崩壊するのではないか」とすら思いました。

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 しかし、よく考えてみれば、飛び込み営業もナンパも本質的には同じようなもの。「ダメなら次!」という精神で続けるうちに、心は強くなっていきます。

 つまり、断られるたびに、いちいち落ち込まなくなっていくのです。

 第1章で、堀江さんが「ヒッチハイクを通じて、自分の殻を破れるようになった」と話してくれましたが、飛び込み営業もナンパもそれに似ています。要は「見ず知らずの人に話しかける」「多くの人たちに断られる」という経験が、心を鍛えてくれるのです。

写真はイメージ ©getty

 人は誰でも、断られると傷つきます。でも、次に断られるときには、耐性が少しだけできているものです。「断られる→耐性ができる」という流れを繰り返すうちに、心は確実に強くなっていくのだと思います。